緊急事態宣言の延長初日を迎えました。5度目の延長で、その期間は4カ月以上と長丁場になっています。医療のひっ迫もあって、県内では自宅療養を余儀なくされている人が2000人以上もいます。
行動が大きく制限され、外出するままならない人たちの生活をどうサポートしていくのか、これからの課題の一つと言えます。そうしたなか、うるま市では生活物資を自宅に届ける取り組みを始めています。
玄関先に置かれた袋。中には、食料品が入っています。受け取ったのは、浦添市の20代男性Aさん。家族5人が新型コロナに感染し、先週から自宅療養をしています。
浦添市の20代男性Aさん「妻の家族とかが買って玄関前に置いてくれたり、自分の身内とかが必要な物買ってくるよとかっていう連絡入れてくれたりするので、お願いしたりしています!」
Aさん一家は、幸い、近隣に住む親戚に家族5人分の生活物資の買い出しを頼むことができました。しかし、自宅療養で買い出しなどの日常生活が大きく制限されるなか、不便や不安を抱えている人も少なくありません。
およそ400人の自宅療養者がいる、うるま市。先週から、希望者を対象に生活物資の支援をはじめました。
うるま市健康支援課 佐渡山安美さん「意外とご家族が多くて必要な物資が多い方の方が必要性が高くなっているのかなというふうに感じました。」
支援の対象となるのは、近くに親戚など頼れる人がいない市内在住の自宅療養者と濃厚接触者となったその家族で、申し込みは、電話のみで受け付けています。
必要な生活物資1週間分が、無料で配達される仕組みで、市に寄せられたコロナ関連の寄付金によって今回の支援が成り立っています。
物資の調達から配送準備までを、急遽担当することになった「うるマルシェ」では、対応に大わらわ。市内の事業者に協力を呼びかけ、初回発送に必要な物資をなんとか確保していました。
Q.実際にこのパッキングで何人分?
うるマルシェを運営するファーマーズ・フォレスト吉村康平マネージャー「一名様」
自宅療養者からの支援要請は、初日だけで、19世帯70人分にのぼりました。急ピッチで対応をしていますが、申請受付から自宅療養者のもとに届くまでに3~4日かかる見込みです。
支援をスムーズに届けることができない背景には、コロナの感染者の情報が、個人情報保護の観点から、県から市町村に共有されてこなかった点があるといいます。
うるま市企画政策課 玉城貴志課長「対象者が限定して分かれば、彼らが必要とする事業とかそういった展開が可能になってくると思うんですけど、今現状としては、その対象がどこにどの程度いるのか、つかめていない状況もありますので、今回、この事業は、声を聞く機会にもなりますので、市民に寄り添った形の事業を展開していければなと思っております。」
うるま市では、自宅療養者の支援を、11月末まで続ける予定です。