辺野古新基地建設の埋め立て承認撤回を巡り県の抗告訴訟の控訴審が開かれ即日結審しました。
辺野古新基地建設を巡って県の埋め立て承認撤回を国が取り消したのは「違法だ」として、県が国による撤回取消の決定を取り消すよう求めているものです。
2020年11月に那覇地裁は県の訴えは退きこれを不服とした県が控訴していました。
8月26日、福岡高裁那覇支部で開かれた口頭弁論で玉城知事は、「自治権の行使が著しく制限された歴史が沖縄にある」と述べたうえで、「一審の判決が認められた場合、国は容易に自治体の判断を覆すことができ自治体に救済の道がない」と主張しました。
一方、国は訴えを退けるよう求めています。裁判は即日結審し、12月15日に判決を言い渡す予定です。
玉城知事「県としてはこれまでに提出した書面や本日の意見陳述において必要な主張、立証を尽くしたものと考えておりますので、まずは判決を待ちたいと思います」
一方、辺野古の新基地建設に伴うサンゴ移植をめぐる問題で県は「法廷闘争に持ち込まない」という判断を示しました。
大浦湾側の埋め立てに伴うサンゴの移植をめぐっては防衛局が条件を守らず移植を続けたため県は許可を撤回していましたが農林水産大臣が撤回の効力を取り消す決定を出していました。
県はサンゴの移植作業の期間は4カ月ほどと見込んでいて裁判を起こしても司法の判断が示される前に作業が終わることから意味がなくなってしまうと判断し提訴することを見送って夏場のサンゴ移植には問題が多いということを世論に訴え続け方針です。
県によりますと大浦湾側で埋め立てが行われる海域の北側に生息するおよそ830群体のサンゴの移植は2週間前に完了していて防衛局は残り3万8千群体の移植に取り掛かっているということです。
サンゴの移植が終わった海域では防衛局が新たな護岸の建設を始めて埋め立てを今まで以上に加速化させたい狙いがあります。