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皆さんは、コーチングという言葉を聞いたことはありますか?コーチとのコミュニケーションを通して、自分の抱える課題や解決策に気づき、行動を変えていくためのものです。ビジネスやスポーツなどで活用されていて、アメリカでは、1兆6千億円の市場規模があると言われています。

コロナ禍などで新しい価値観が求められる中、コーチングのニーズが高まっています。

スタイリッシュな革の財布。こだわりの製品を撮影しているのは、革職人の上原奨太郎さんです。

革屋 アンシェア 上原奨太郎さん「今度作るフライヤーの撮影ですね。」

上原さんは、那覇市の浮島通りに工房兼店舗を構えています。

以前は、県内外から多くの人が訪れていましたが、現在は、コロナの影響で客足は大幅に減ってしまいました。苦しい状況を打破しようと上原さんは、SNSを使った宣伝や、県外での出張販売などに力を入れていきたいと考えています。

そこで、3カ月前から利用しているのが、オンラインのコーチングです。コーチと月1回、1時間ほど会話をします。この日、上原さんは、人材育成について相談しました。これから出張販売を控え、準備で忙しくなるため、新人に仕事教える余裕がなくなるのではと心配していたのです。

革屋 アンシェア 上原奨太郎さん「今までの経験からいうと、そうなった時に、新しいスタッフの育成がどうしてもおそろそかになってしまう」コーチングサービス『ハレル』中司雄也さん「入社する方に対して、忙しいときに、どういうことを期待していますか?」

コロナ禍で需要増 コーチング

コーチはアドバイスをするのではなく、質問を投げかけます。

革屋 アンシェア 上原奨太郎さん「戦力とまではいかなくても、少しずつ成長しながら、手助けになるようなものが増えていけばいいなとは思っている」コーチングサービス『ハレル』中司雄也さん「その方が手助けできるようにするためには、奨太郎さんやほかの社員がどういうことを準備しておけばいいですかね?」

コーチングは、コーチの質問に答えていくことで「気づきと行動が生まれるコミュニケーション」だといいます。

革屋 アンシェア 上原奨太郎さん「こういう問題があると思うんだけど、どうやったらうまくいくと思いますか?というのを、もっといろんな切り込み方で聞いてくれるので、その角度から考えるのかーって一人で考えるのとコーチングは全然違うなと感じます。」

コロナ禍で需要増 コーチング

個人や企業むけに、オンラインのコーチングサービス「HALERU(ハレル)」を運営している中司さん。コロナ禍などを背景に、県内でも少しずつコーチングの利用者が増えてきているといいます。

コーチングサービス『ハレル』中司雄也さん「コロナ禍でテレワークが普及しはじめて、雑談だったりとか、対話の数が少なくなって、そこでストレスを感じる方もいますし、何か目標に対して、自分で押し殺してしまう人もいるので、変化を求められる時に、一人で考えるんじゃなくて、一緒に伴走してくれる人というところの役目としてコーチングのニーズが上がってきているのかなと思います。」

中司さんが、コーチングのサービスを立ち上げたのは、会社勤めをしていた時に、相談できる上司になかなか出会えなかったことがきっかけです。

コーチングサービス『ハレル』中司雄也さん「僕自身、自分の経験が一番強くて、目の前のことは一生懸命やっているけど、それが何のためにやっているのか、意味が理解できなかった時があるので。自分がこれをやっている意味というところをちゃんと自覚した上で行動していくのとそうではないとでは全然、成果も結果も変わってくるので。」

コロナ禍で需要増 コーチング

コーチングを通して、なにかに挑戦したい気持ちや、現状を打開しようとする人のサポートができればと考えています。中司さんが、サポートを続けている革ショップの上原さん。コーチングをきっかけに、一緒に働く職人一人ひとりの個性を大切にしたいと思うようになりました。

その結果、新しいアイディアの商品が、次々に生まれています。こちらの革製のワインバッグはキャンプ好きのナオキさんが考案しました。一方こちらは、読書好きのユウキさんが手がけた財布です。文庫本サイズのブックカバーに、小銭入れなど財布の機能を加えました。

読書好き革職人 ユウキさん「もともと僕が普段から本を読むので、けっこう外出時も持ち歩くことが多かったんですね。財布のほうが邪魔だなって感じることがあって、本と財布が合体したものがないかなと思った」

革屋 アンシェア 上原奨太郎さん「みんなそれぞれが好きなものに打ち込んで、やっていくと、みんなこういう風にブランディングしてくれるんで。将来自分で独立してできるような職人にみんな育ってくれたらいいなと思っているので」

『答えは、相談する人の中にある』ということを前提に、心のもやもやが晴れていけるように寄り添うコーチング。コロナ禍などで、新しい価値観が求められる中、前を向く挑戦者たちの注目を集めています。

コーチングサービス『ハレル』中司雄也さん「いま、続けていく中で思っているのが、やりたいことに対して、ちゃんと応援できる、寄り添ってくれる人がいるんだよということを伝えていきたいと思っているので、そこで、独りぼっちじゃない、孤独じゃなくて、ちゃんと寄り添ってくれる人がいるんだよってちゃんと伝えていきたいと思っています。」