競技人口は少ないものの、平良朝治、吉本久也、大城みさきなど４人のオリンピック選手を排出し、さらに毎年、国体でも華々しい活躍を見せるウェイトリフティングは今や「沖縄のお家芸」とまで評されるほど。
来年の美ら島総体でも大きな期待と注目を集める競技だ。
美ら島総体で個人、団体ともに有力視される南部工業。部員はたった６人。しかしこの内の５人が優勝、もしくは上位入賞を狙える実力を持っている。
屋良博之監督「上に、足でやればもっと出来る。今まだこの状態だからな。もっともっとテンション上げてやらないと」
指導するのは屋良博之監督。日本代表コーチの経験もあるベテランだ。その屋良監督が、確実に頂点がとれる人材として太鼓判を押すのが53kg級の玉寄公博。
すでにこのクラスで、全国ランキング１位の玉寄は、細い体つきながら、驚くほどの力を秘めているという。
玉寄公博選手「（全国ランクNo.１は）下から追われる側なので、一生懸命頑張ってキープしたいと思います」
62kg級のホープ・平良勇祐。オリンピック選手、平良朝治のおいにあたる選手だが、そのおじの高校時代の記録に1年生の段階ですでに迫る勢いを見せる。この競技で数多くの選手を送り出す平良家の遺伝子が受け継がれている選手だ。
平良勇祐選手「やった分だけ強くなると思うので頑張っています」
そしてもう一人は77kg級の久米大輝。全国ランキング５位の久米だが、潜在能力は十分に頂点に立てる力を持つ選手だ。
少ない部員ながら、記録を伸ばす南部工業。その秘密が練習場の壁にあった。
ここには部員達が出した現在の記録と、その記録が県内ではどれ程の実力なのかがランキングとして張り出され、さらに、全国との比較や世界の記録まである。
屋良監督「自分の目標が明確にできる、自分は今どのあたり（レベル）にいる、自分を見つめる良い材料になるということで張ってあります」
玉寄選手「もっともっと頑張らないとなって思います」
平良選手「あれを見ると全然まだまだだなと思います」
久米選手「強い人の記録を見ていると、これが目標だという意識が強くなると思います」
緻密なデータと、目に見える目標。南部工業は来年の美ら島総体へ確実に、実力を積み上げている。
久米選手「優勝目指して大会新記録も頑張って目指したいと思います」
平良選手「（美ら島総体は）地元ということもあるので優勝したいです」