ゴールデンウィークが終わって1週間あまり、懸念していた感染拡大が現実のものになっています。5月18日、一日の新規感染者は過去最多を記録し、療養者数や1週間あたりの新規感染者数も最多です。
県は5月18日、70代から80代の男女あわせて4人の死亡と168人が新型コロナに感染したと発表しました。
県は、新型コロナに感染し医療機関に入院していた浦添市の80代の男性と糸満市の80代の男性、那覇市の70代の男性と80代の女性の4人が死亡したと発表し、県内で亡くなった人の累計は146人となりました。また県内の新規感染者は、10歳未満から90代までの男女あわせて168人で、これで県内の累計感染者数は1万4086人になりました。1日の新規感染者数としては4月17日の166人を超え、過去最多となりました。
陸上自衛隊那覇駐屯地で10代から20代の男性11人、那覇市の接待を伴う飲食店で20代から50代の従業員と客の男女5人、家庭内で5人の感染を確認しクラスターと認定しました。
5月18日時点で、県内の療養者数は1533人、直近1週間の新規感染者数が834人と過去最多なり、人口10万人あたりだと57.17人になりました。
1人の感染者が何人に感染させるかを示す「実効再生産数」は1.62となり、5月10日の週の0.85を大きく上回ったことなどから、県は「予断を許さない状況で感染がさらに拡大していく可能性がある」として危機感を募らせています。
「緊急事態」結論出ず…最終判断あす19日に持ち越し
過去最多の感染者が確認されるなど一刻の猶予もないなか、緊急事態宣言の要請について、最終判断は5月19日以降に持ち越しとなってしまいました。
謝花副知事「結論としましては、酒類の提供の自粛、緊急事態宣言を政府に要請することについてはもう一度、経済団体会議の皆さんに丁寧に説明を行ったうえで、あす以降最終的に決定する」
県は新型コロナの対応を協議する対策本部会議を開いてゴールデンウィーク明け以降急速に広がった感染状況に歯止めをかけるため、国に緊急事態宣言を要請するかどうか検討を続けていましたが結論は出ず、5月19日以降に持ち越しとなりました。
謝花副知事「見切り発車は県としては避けて、丁寧な説明を経たうえで、業界の皆さんにもしっかりご理解していただいてご協力をいただく。そのうえで感染症対策を県民あげて取っていく」
医療のひっ迫が続いているなか、これ以上医療現場が苦しくならないようにするには「緊急事態宣言を要請すべき」だという意見で医師たちは概ね一致しています。ただ、対策の実効性を高めるため、飲食店に酒類の提供自粛も検討されていて、反対の声をあげている飲食業の団体からは多くの店が時短に応じているなか、さらに強い措置が検討されていることに、協力していない店への対策を強化すべきという意見があがりました。
県飲食業生活衛生同業組合・鈴木洋一理事長「時短要請に応じていない店舗がありまして、そういうところからクラスターが発生してたりしますので、その前に行政として、そちらのほうを強くやるべきではないか、改めて緊急事態宣言の要請を反対して、酒類提供(の自粛)を反対しました」
さらに、緊急事態宣言は飲食業だけでなく観光業も大きな打撃を受けるという懸念がすでに出ています。
県ホテル協会・平良朝敬会長「(時短要請で)業界自体そのものが持たない状況です。緊急事態を発令すると今まん延防止でも修学旅行が消えてますので、緊急を出すと完全にすべて消えてしまいますから大変な影響があると思います」
県は経済団体に緊急事態宣言への理解を得るため説明を続けていて、あす19日、再度、対策会議を開いて今後の対応を協議することにしています。