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子どもたちが一目散に手を伸ばした先にある「かるた」。ただの「かるた」ではないんです。その名も「金武町かるた」。なんと!『金武町民の金武町民による金武町民のための』かるただったんです。

金武町かるた作成委員会・安富祖昇会長「町のことを好きになってもらいたいということで、かるたを通して金武町に親しんでいただきたい」

町の教育委員会が去年9月に作成チームを立ち上げ、およそ半年かけてつくりあげました。当初は、すべての読み札を編み出せるか不安だったそうです。

安富祖会長「46枚に絞っていった。難しかったのは、やっぱりどれを読み札にするかというところもあったし」

しかし、そこはメンバーの金武町愛がなせる業!町の魅力を学んでほしいという思いは尽きることなく、150個の案が集まり、選ぶことの方が大変だったそうです。

完成した1000セットのかるたは、町内すべての小学校と学童施設などに配られました。

金武町発祥で今や県民のソウルフード「タコライス」に、夏の夜空を彩る「花火大会」、金武町出身のイラストレーターが絵札に町の魅力を詰め込みました。さらに、もう一つ、このかるたには他と違った特徴があります。

学んで発見!まちの魅力 「金武町かるた」が完成

金武町かるた作成委員会・玉元孝治さん「『ん』から始まる読み札があって『んたばる』という地名です。これも沖縄の言葉独特のもの」

金武町かるたは、しまくとぅばも使っているため、「あ」から「わ」の44文字に「を」と「ん」が加わっていて、46文字で1セットになっています。

金武町かるた作成委員会・関 恵子さん「金武町が移民発祥の地というのを知らない子もいたので、今回移民のことがちゃんと入っているので、すごく勉強になる。當山久三、いざゆかんね」

学んで発見!まちの魅力 「金武町かるた」が完成

金武町は、沖縄で初めてハワイに海外移民を送り出したことで沖縄移民の父と呼ばれた當山久三の出身地でもあることから、移民関連のかるたは4枚含まれています。

さらに、金武町かるたには、遊んだ人がより金武町について知ることができるよう、それぞれの札に関する解説もついていて、金武町についての知識をより深めることができます。解説をつくる中では、子どもたちにもわかりやすいものになるように心がけ、漢字にはすべてフリガナをつけました。

玉元さん「やっぱりどうしても、きっちり説明しようとすると難しい言葉遣いになってしまうところを、なるべく平易な言葉に言い換えることに苦労したというか、そこは気をつけました」

1週間前にかるたを受け取った伊芸地区の児童館では、子どもたちが夢中になってかるたで遊んでいました。札が読まれた瞬間に鳴り響く畳をたたく音。毎日白熱したかるたの取り合いが繰り広げられているといいます。

女の子「考えてとったりするのが楽しかった」男の子「(かるたには)金武町の魅力がある。できたら(かるたを)全部おぼえたい」

教育委員会では、今後、町立図書館でかるた大会を行うなど、地域の子どもたちがよりカルタに親しめるようなイベントを開催していきたいとしています。

玉元さん「大人になったときにかるたのことを思い出して、金武町はこういう町だよっていうのを自分たちの子どもだったりとか、あるいは町外の人たちに紹介できるような人材が育ってほしい」

安富祖会長「かるた遊びを通して金武町のことを知ることで、この町に生まれてよかったというふうに誇りにしてほしいと考えています」

【金武町の いまとむかしの かなさむん 札を取りつつ ちむにきざみてぃ】

地元の魅力を楽しみながら学んでほしい、作った人たちの町への愛が詰まった「金武町かるた」。大人たちから子どもたちへの素敵なプレゼンです。

学んで発見!まちの魅力 「金武町かるた」が完成