先週の日曜日、石垣市で成人式が開催されました。式に備えて様々な条件がある中、人生で一度しかない門出を迎えた新成人などを取材しました。
新成人代表あいさつ・野原佳太さん「コロナ禍の中で実際に成人式はできるのか不安はありましたが、一生に一度の成人式という晴れの日を心あたたかい島で、たくさんのすてきな仲間とともに迎えられたことを心から嬉しく思っています」
本来なら年明け直後に行われるはずだった石垣市の成人式は、コロナの感染拡大で2カ月遅れの開催となりました。今年は540人が大人の仲間入りを果たし、そのうち式には300人が出席。振袖やはかまに身を包んだ新成人が仲間との再会を喜びました。
成人式を前日に控えた20日、石垣市のかりゆし病院に次々と車がやってきます。すべてPCR検査を受ける新成人たちです。
島在住の新成人「成人式が明日あって、それでみんながしっかりと万全な状態で成人式を迎えられるように」
市は式典に出席する新成人全員にPCR検査を義務付けていて、島外から帰省した人は原則2回、島に在住している人は1回検査を受け、“陰性”となった人のみ式への参加を認めました
埼玉から帰省した新成人「ほかの県では中止になってるところがあるにもかかわらず、成人式ができてとてもうれしい」
那覇から帰省した新成人「(家族は)式は20歳は大きな節目だから(帰省を)歓迎しています。自分がもし菌とか持ってて、どんどん広まっていったら、コロナがまた再発したら島でも結構多くなるから大丈夫かな?というのはありました」
成人式の開催を待ち望んでいたのは、新成人だけではありません
エクセル美容室・翁長吉子さん「みなさんが可愛くなっていくのを見るとうれしいです」
振袖の着付けなどに携わる老舗の美容室。去年コロナでウエディングなどの仕事がほとんどなくなりました。苦労が続く中での成人式の開催は美容業界にとっても久々の明るい話題だといいます。
エクセル美容室・豊見本友美代表「1年間通してお祝い事が少なくて、売り上げが下がっている状態で、成人式があるだけで本当にありがたいです。一生に一度なので、この日をいい思い出で終われるように、楽しい1日になるようにお仕度させていただきます」
母から受け継いだ振袖を着て、ハタチになったことを感じる新成人もいました。
島根から帰省した新成人・石垣さん「1月から延期になったので、やっとで実感が湧きました。(Q:楽しみなことは?)家族に見せることですかね」
島根から成人式の一週間前に帰ってきた石垣さん。成人式には母の振袖で出ることを決めていました。
エクセル美容室・翁長さん「2代続いて着たっていうのもうれしいんじゃない?」
石垣さん「うれしいです」母「私が着たときよりもきれいに着せてもらってよかったと思います。うれしいです」
島に帰ってきたからこそ見せることができた晴れ着姿。最高の親孝行になりました。
マスクの着用はもちろん、検温と消毒に加え、自身の陰性を証明する葉書を見せるなど、感染予防を徹底して行われました。親の出席はひとりまでで、観客席から我が子の晴れの舞台を見守ります。
新成人代表挨拶・花城美海さん「大人の仲間入りをした新鮮な気持ちで迎えた例年とは異なるこの日を私たちは一生忘れてはならないと思います」
式は時間を短縮して行われ、事前のPCR検査で4人が陽性となり参加できなかったことなどから、式の様子はオンライン配信されました。
福岡から帰省した新成人「当たり前のことを当たり前にできるような大人になりたいです」「もし自分が陽性だったらとか考えたりもしたんですけど、無事にこうやって(式典に)出られてよかった」母「1月に開催予定が3月に延びてどうなるのかなって思ってたんですけど、こんな素晴らしい成人式ができてよかった。本当に小さくなんですけど、家族で祝ってあげたいと思っています。密にならないように」
那覇から帰省した新成人「もう本当(コロナ)怖かったんですけど、無事迎えられて楽しかったです!みんなとも会えたしよかったです!」母「晴れ姿を見られただけでも、すごくうれしいです」
島在住の新成人「2年後か何年後でもいいので、本当に全員で集まりたいです、また」父「ハタチになったから人に迷惑かけず、自分の決めた道を信じて進んでくれ!以上です」
2カ月遅れでしたが、新成人にとっては人生一度の晴れ舞台。親にとっても我が子の成長を感じられる節目の日となったようです。