楽園の海、案内は水中カメラマンの長田勇さんです。今回のテーマは「座間味発ホエールウォッチング」です。
長田「今回は座間味島のボートに乗ってクジラを間近で見てきました」
長田「港の中でもうすでにクジラがジャンプしています!『クジラの里』らしい風景の座間味港をエスコート号に乗って出港します。船長は佐野裕二さん。沖縄本島からお越しのお二人のお客さんと共に、クジラ探しの旅へ。目撃情報を頂いたので現場に急行します。辺りを見渡していると…。クジラが飛び跳ねましたね!」
長田「ジャンプすることを『ブリーチ』と言うんです。ゆっくりと距離を詰めると…暴れてますね。胸鰭や尾鰭を水面に叩きつけてます。比較的サイズの小さなクジラだったので、生まれてから1年か2年経った若いクジラのようです。それでも大きさは体長8m程。ちなみに大人になると10m以上です。20分ほど間近で観察することができました。別のクジラを探しに行きましょう!」
佐野船長、なにやら無線でやりとりしていますね?
長田「その相手は…。ホエールウォッチング協会のメンバーが、座間味島の展望台から双眼鏡を使ってクジラを探してくれています。この方法だとかなり高い確率で見つけられるので、どこの島よりもクジラとの遭遇率が高いんです。これは目撃場所の地図。ボートの位置と照らし合わせてクジラの元へ急ぎます」
佐野船長、何か持ってますね。
長田「これは集音マイクです。これを使ってクジラの鳴き声を聞いてみます」
牛の鳴き声?
長田「これはオスクジラがメスに求愛するときの鳴き声と言われています。牛ではありません。れっきとしたクジラのラブソングです。一頭でのんびりと移動中の鳴き声の主を観察していると…」
佐野船長『ゼットだ!』
何ですか、ゼットって!
長田「なんとこのクジラ、座間味島周辺で初めて観察されてから30年が経っている有名なクジラ、愛称『ゼット』でした。佐野船長も大興奮。クジラは尾鰭で個体識別できるんですが、模様の一部が「Z」に見えるんです。私も沖縄に来てちょうど30年、偶然の一致ですがなんか嬉しかったです」
貴重な瞬間だったんですね!
長田「こちらは今年生まれたばかりのクジラです。体長は5m程でしょうか」
お母さんクジラの背中に乗ったり回転したり、じゃれてますね。
長田「やんちゃな子どものようで、お母さんも大変そう。およそ1年間行動を共にするそうです。哺乳類ですので母乳で育てます尾鰭で水面叩いてます(テールスラップ)。この日はお母さんの横でひたすらはしゃいでました。親クジラのブリーチ!ホエールウォッチングで一番見たいパフォーマンスだと思います」
長田「最後は、なかなかお目にかかれないメイティング・ポッド。これは一頭のメスを数頭のオスが奪い合う行動。先頭がメス、この時追いかけているオスの数は5頭」
競争率激しいですね。
長田「かなり激しいバトルのようで、背中が傷だらけになるオスも。最終的に争いに勝った力の強いオスが選ばれ、繁殖していきます。今年もたくさんの方がクジラに会いに座間味に来ています」
クジラのファン多いですもんね。めちゃくちゃ近ーい!!
長田「出産、子育て繁殖と沖縄の海が選ばれていることが嬉しいです」
今回も貴重な映像ありがとうございました。以上、楽園の海でした。