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仲井真知事が公式の場で鳩山総理と会談しました。知事は普天間基地の移設先として「ベストは県外」と主張しました。一方、総理から移設場所や結論の時期について具体的な言及はありませんでした。

総理官邸での鳩山総理と仲井真知事の会談は30日9時半からおよそ30分間でした。この中で仲井真知事は新政権発足後、普天間基地の県外移設を求める声が急速に高まっていることを総理に伝え、政府として早く方針を示すよう求めました。

これに対し鳩山総理は「県民の気持ちが県外に動いていることは承知している」と述べましたが、移設場所については「現在、日米間で検証中でその結果を見て対応したい」と述べるに留まりました。

総理との会談後すぐに沖縄に戻った仲井真知事はアメリカのルース駐日大使と会談。ルース大使は「県外移設」の主張を強める知事に対し「米国としては今の辺野古移設計画が最も優れた唯一実効性のある選択肢と考えている」と語り、県や日本政府をけん制しました。

ここからは総理官邸で取材にあたった岸本記者に聞きます。

仲井真知事はこれまで「県外がベストだが県内移設もやむを得ない」という見解でしたが、きょうは「県外がベスト」という一点に絞って総理に訴えていたという印象を持ちました。どうでしたか?

岸本記者「きょうの総理の会談では、会談が始まって20秒後には『県内では県外移設を求める声が高まっています』と総理に直接、伝えていました。これは、その場にいた報道陣を意識したものだったかもしれませんが、知事の発言がよりクリアになってきたという印象を持ちました」

きょうは決断の時期を明言しなかった総理ですが、政府全体では、県内移設に傾きかけているという空気が蔓延しているようにも見えます。

岸本記者「東京では、防衛省・外務省をはじめとして、もう辺野古以外に選択肢はないじゃないかという雰囲気です。でも、総理が『最終的には私が決める』と言っていますから、官僚も含めて、周りは、その総理を若干冷めた目で見ているという感じです」

総理はいわば、外堀を埋められた状態で、仲井真知事のきょうの訴えを受けてさらに悩みを深めているようです。こうした中、大阪の橋下知事がこんな発言をして注目を集めています。

橋下知事「米軍基地というものは、沖縄から負担してあげるというのが本州・四国・北海道に住んでいる住民の責務だと思っている。関西でももしこういう話がこれば、しっかりと受け入れる方向で検討していきたい。そういう話があれば拒否は一切しません。受け入れるという話ではないですよ。議論は拒否しませんという話で」

県外のトップがこのような発言をしたのは初めてですが、橋下知事は今月13日にも同じ内容の発言をしています。この時期に、こうした発言というのは政府としては無視できない発言です。

岸本記者「政府は、今アメリカ政府と普天間問題を検証中ですが、こうして声を上げた大阪の関空についても、具体的に議論しないまま、結局『辺野古へ』ということになると、検証はただの『アリバイ作り』なのかということになってしまいます。この問題、鳩山政権を揺るがしかねない問題となっているだけに『事業仕分け』と同じように政府の方針決定のプロセスを国民にわかりやすく見せてほしいと思います」