17日行われたQAB紫雲旗争奪高校柔道選手権です。
去年の夏、新型コロナの影響でインターハイがなくなり多くの競技で県総体が開催されましたがその中で高校柔道は大会を実施することができませんでした。
選手たちは今大会、最大限の対策をして、試合ができる喜びをかみしめながら全国大会を目指しました。
17日行われたQAB紫雲旗争奪高校柔道選手権大会。選手たちは3月の全国大会を目指し相手と戦う一方でこの大会に至るまで、もう一つ大きな敵と闘ってきました。
沖縄尚学・三木歩夢主将「コロナの影響で去年は試合が無くなったりして(今回も)いつ大会ができなくなってもおかしくない状況だったのでこうやって大会ができて試合が出られることはとてもうれしいです」
他の競技に比べ、組み合いなど接触が避けられない柔道ではより一層の感染対策が求められてきました。今大会でも換気や試合中以外のマスクの着用はもちろん、試合の合間には、畳全体をアルコール消毒するなど細心の注意を払いながらの開催となりました。
試合ができる喜びをかみしめながら。より一層熱を帯びたのが個人戦。実は3月の全国選手権もコロナの影響で規模が縮小され、団体戦が中止に。全国への派遣は個人戦のみとなり、出場権争いはさらに激しさを増しました。
その中で、県内で無類の強さを誇る沖縄尚学が今年も各階級で次々と優勝を勝ち取っていきます。中でも男子無差別級は、沖尚から神山琉星、主将の三木歩夢、去年の覇者・藤井建心の優勝候補3人がエントリー。
まず準決勝で相対した三木対藤井。合わせ技で藤井が主将の三木を下し去年に続き決勝進出を決めます。そして決勝はその藤井と神山の対決に。
沖縄尚学・藤井建心選手「校内予選からみんな取りに行くという気持ちが強かったので、試合前は(お互い)あまり喋っていなかったですね」
日頃は同じ稽古に励む仲間であってもここではたった1枚の全国切符をかけたライバル。まず藤井が技あり、試合を優勢に進めると、2つの技ありで合わせて一本。藤井が同門対決を制し、全国大会出場を決めました。
沖尚・藤井建心選手「みんなの気持ちを背負って少しでもいい成績を残せるように頑張りたいです」
そんな圧倒的な力を持つ沖尚に対し、闘争心を燃やす選手も。
糸満・小林幹明選手「沖尚に強い選手がいっぱいいるのでその人に勝てるように対戦相手の対策を練習で練ったりして試合で優勝できるように頑張ってきました」
糸満の小林幹明(みきあき)。1年の時から上位進出を果たすも、去年の新人大会は体調不良のため欠場。今回は約1年ぶりの大会に向け稽古に励んできました。
迎えた男子60キロ級の決勝。沖尚の當間怜士(れお)との一戦は。
お互いに仕掛けあうも決め手とはならず、延長戦へ。そして延長開始早々でした。最後は小林が相手の腕を奪い、十字固めで一本。※腕拉十字固(うでひしぎじゅうじがため)一矢報いる活躍で全国切符を獲得しました。
糸満・小林幹明選手「自分が優勝して全階級沖尚の優勝を止められたのはよかったです」
全国柔道選手権は3月19日に日本武道館で開幕。今大会の男女5階級の優勝者が出場します。