日本ハンドボールリーグ、琉球コラソンです。ハンドボールが盛んな沖縄のトップチームとして戦うコラソンですが、今、大きな危機に直面しています。それはチームの運営に大きな影響を与えている新型コロナです。厳しい状況が続く中で、試合にもコロナにも勝つべく、闘う姿を見せ続けています。
ここ数年、リーグ下位に低迷し、厳しい時期が続いている琉球コラソン。今シーズンもここまで10チーム中8位と苦しむ中、巻き返しを誓って臨んだホーム2連戦。チームは試合だけでなく、もう一つ大きな敵と闘っていました。
琉球コラソン 代表取締役・水野裕也さん「できればこのチームを潰したくないと考えながら運営をしていますし、ただ今までのやり方だと今年はどうにか乗り切れたとしても来年は間違いなくまずいので」
クラブチームであるコラソンは年間売上のうち、9割近くをスポンサー収入や入場料、グッズ販売で賄っています。しかし今年は新型コロナの影響でそれらの収入が激減。チームは選手給の減額や遠征に行く選手数を減らすなど対応を取っていますが、依然苦しい運営状況が続いています。
琉球コラソン・松信亮平選手(在籍8年目)「ハンドボールでお金をもらうということが今コラソンの現状を考えると厳しいではある。なので(別で)働いてはいますけど」
そこでチームは運営資金確保のため9月からクラウドファンディングに挑戦。21日現在、目標額の5割ほどの支援が寄せられています。その期限はこのホーム2連戦に設定されています。
琉球コラソン 代表取締役・水野裕也さん「(期限を)11月23日に設定したかというと、この浦添のホーム地で、ホーム戦2試合で熱い思いをファンの方々に見ていただいて、それを最後の起爆剤にして、もう一度いろいろな方に支援していただきたいと思っていたので」
琉球コラソン・松信亮平選手「僕たちが選手である以上、ハンドボールを通じて何かしらを感じてもらう必要がありますし、そういった姿勢がたくさんの人の心を動かすんじゃないかと思うので、1つ一つのプレーに責任と自信を持って戦いたいと思います」
沖縄のトップチームとしての意地と支えてくれる人たちへの感謝をそのプレーで表したいコラソン。前半、2点を先行されてもすぐさま逆転に成功すると、その後はリードを譲りません。前半終盤には2年目のホープ・村田龍の連続得点などで3点をリードして折り返します。
後半はお互いに点を取り合う展開が続く中、気を吐いたのはキャプテン・東江太輝。
東江太輝主将「うちのチームも苦しいんですけど、他の人たちもみんな苦しいので、その中で僕らの試合を見て少しでも元気になってもらうというのが僕ら選手の仕事。それを見て、もっと応援したいとなってくれれば一番いいのかなと思っています」
東江が後半だけでチーム最多タイの5得点をあげる活躍を見せるなど、最後までリードを守り続けます。
ホームで白星を手にしたコラソン。するとキャプテンの目には…涙が。
東江太輝主将「ずっと負け続きだったので、自然と恥ずかしながら泣いてしまいました。応援も結構声出してはダメだったんですけど、結構盛り上がっていたので、その中で勝ちをファミリアの皆さんにプレゼントできたというのは本当に良かったと思います」
琉球コラソン・東長濱秀作監督「本当にコロナ禍で大変な状況ではあるんですけど、常々選手にも応援してくれる人たちを元気にするゲームチームであろうと、我々の存在価値が問われるシーズンじゃないかとずっと声をかけてきて。まずきょうとれて本当にほっとしています」
そしてきょう行われたホーム2連戦の第2戦だったのですが、残念ながらジークスター東京に敗れています。なお、琉球コラソンのクラウドファンディングはきょうの午後11時までです。