環境を考える美ら島の提案です。県内数多くある離島で十分なゴミ処理施設を備えているところは、少なくしかし、そんな離島に押し寄せる漂着ゴミは、頭の痛いもんだいです。そんな中、逆に流れ着いた大量のゴミをエネルギーに変えてしまおうというチャレンジが鳩間島で始まっています。
観光客やダイバーで賑わう自然豊かな八重山諸島の島々。しかし、白い砂浜も海流や風の影響によっては・・・ 離島の海岸には、今もペットボトルや発泡スチロールといったゴミが数多く流れ着いています。この深刻な漂着ゴミを解決しようとあの小さな島鳩間島であるプロジェクトが始まろうとしています。
石垣から高速船で45分の鳩間島。人口47人のこの小さな島で始まるプロジェクトとはその名も「鳩間島・宝の島プロジェクト」漂着物をエネルギーに変えるというものです。日本海難防止協会が日本財団の協力を受けて鳩間島をモデル地区に来月から実証実験をスタートさせるのです。常に竹富町の人々を悩ませていた漂着ゴミ。回収や処理にも島特有の難点がありました。
竹富町長「回収したのをさらに船で石垣市に運ぶんですね。石垣市に産業廃棄物を処理する民間の業者がいるんですねそれに処理する費用も払って船賃も払って」
この漂着ゴミの処理問題を何とか効果的に島内で解決したいと かねてから願っていた 川満町長。そして、鳩間島の人たちにとって待望のプロジェクトです。
浦崎さん「こういうものが島へ来て、そして又 発泡スチロールが油に変わっていくってみんなに見せたら度肝を抜くだろうね。ふふっ」8年前に退職して鳩間島に戻ってきた浦崎金雄さん。漂着ゴミによって子どもの頃見ていた島の風景が変わりつつある現状に愕然とし島の有志に呼びかけ自然を守るNPOを立ち上げました。「南の島々(ふるさと)守り隊」です。
民宿の経営者や公民官長たちで結成し平均年齢は58歳。先月東京から到着した、漂着ゴミをエネルギーに換える機械油化プラントを稼動させるため収納する建物の設計から工事まで業者にも頼らず行っています。
海難防止協会 大貫代表「過疎化、老齢化に悩む離島の島お越し熟年層のパワーアップ、さらには、新しい仕事が生まれることによって若い人たちが戻ってきてくれるそういうことを期待してこの社会実験を始めるのです。」
そして完成した施設がこちら!発泡スチロールを砕いて、熱を加えて分解。蒸気にしたあとこれを冷やすとスチレン油がうまれるのです。スチレン油は、ガソリンなどと同じ引火性の液体でディーゼルエンジンやボイラー 焼却炉などの燃料として使用することが可能、この油化プラント、スチレン油を燃料とすることから別の燃料は必要ないのです。
大貫さん「これからは、漂着ゴミを拾ってきてこの中に放り込めば皆さんが自由に使えるエネルギーになるわけです。」
待ちに待った火入れ式を迎えたこの日。どんな液体が抽出されるのか島の人たちも興味津々です。「これは、ガソリンよりいい油ですよハイオクに近いぐらいですよ。」浦崎さん「気持ちいいいね出かたがね気体を液体にかえてくるというから とんとんとんってくんかなって思ったらジョワーってくるんだ。」初物のスチレン油にみんな感激の表情。
「うれしいですね、 ゴミからこういうのになるっていうのはいいことじゃないですか」「船がいいですね、やっぱりね台風のといとかそういったときって船が出ないんですよね、燃料を持ってくることが中々出来ないんですよね 欠航するもんですから」
無事に火入れ式も済んで島の人たちの夢は広がっているようです。浦崎さん「きょうはこの当たりからひろって行こうかなって思っているんだけど」この日も漂着ゴミの回収に追われる島の人たち。でも、この油化プラントがやってきてからは、漂着ゴミへのイメージも変わっているようです。
「なんか宝物探しているみたいだね。」
漂着ゴミで宝の島を目指す鳩間島。このプロジェクトは、来月7日からです。
ゴミが宝に見えて拾う意欲もがぜん変わりますよね。漂着ゴミは、何でも入れられるんですか?現在は発砲スチロールだけです。とは言っても全体のおよそ半分が発砲スチロールなんです。又来年以降は ペットボトルや他の漂着ゴミにも対応できるよう実験中だということです。今年島に出来たばかりの焼却炉にも油化プラントそのものにもこのスチレン油を使えるとなると台風でたびたび孤立する不安もずいぶん和らぎます。軌道にのるといいですね。