新型コロナウイルスの感染拡大で止まっていた修学旅行の受け入れ。今月、東京の高校生が県内を訪れ、半年ぶりに受け入れが再開されました。修学旅行の完全復活を目指して感染対策を徹底するそれぞれの場所を取材しました。
修学旅行先を検討する県外の学校に、沖縄のおもな受け入れ先での感染予防対策を紹介する県の動画。交通機関や観光施設、ホテルなどが、徹底した対策に努めていることに加え、「安心安全な旅」をPRしています。
さらに旅行前から旅行後まで場面ごとの対策をまとめた県独自のガイドライン。「うつらない うつさない」ための取り組みが整理されています。
沖縄観光コンベンションビューロー・下地芳郎会長「県外の方からすると、沖縄の情報が不足しているということは言われていたので、いろんな機会を通じて沖縄の取り組みの状況、各地の状況を常に新しい情報を発信していくことが、旅行を計画している人にとっての安心感を高めることになると思う。」
トップシーズンの夏以外にも各地に賑わいと潤いをもたらしてくれる、沖縄観光にとって重要な修学旅行。今年はコロナの影響で沖縄を回避する動きが顕著になっています。
県内には今年度、およそ42万人(2318校)の修学旅行生がやってくる予定でした。しかし、県の緊急事態宣言などでキャンセルが相次ぎ、25万人(1270校)あまりにとどまっています。
およそ300人の高校生がやってきたこの日。空港は半年ぶりに修学旅行生の活気に包まれました。東京の関東第一高校は12年連続で沖縄を訪れている常連校。しかし、今年は学校も様々な対応に追われました。
関東第一高校・畑中計政教諭「日程を4泊5日の予定のところを1泊削り、生徒の宿泊の人数1部屋4人だったのを3人にする。学年の半分くらいしか来ていないが、全員で初日と最終日に空港に来てしまうとそれも迷惑なので、半分に分けて。」
高校生にとっても対策が欠かせない旅の始まりです。
高校生「密を徹底して起こさないようにして最後まで楽しみたい。」
学生たちを迎える県内の各業種は、感染予防をしながら修学旅行の完全復活を目指しています。21社のバス会社が加盟する県バス協会は、ガイドラインに沿って「車内換気の徹底」や「てすりなどの30分以上の消毒」、「対面を避けるため乗務員は着席して案内すること」などを決めています。
県バス協会・小川吾吉会長「消毒をやっているとか、換気をしているとか、そういう対応をひとつひとつ丁寧に説明し、沖縄で修学旅行を実施してもらう、そういうことが大事だと思っている。」
沖縄の歴史や文化が体験できる場所として、多くの修学旅行生を迎えてきたおきなわワールド。国内最大級といわれる鍾乳洞は特に人気のスポットです。
高校生「ここまで形が形成されるっていうこと自体がすごいなって。これが自然の力なのかって。」
施設は感染拡大に伴う2カ月間の臨時休業を経て、7月に再オープン。「マスク着用」や「アルコール消毒」などを徹底し、ようやくこの日を迎えました。
おきなわワールド・伊敷美千代さん「安心安全で観光に来てもらえる場所として、常に他の状況も見ながら、どのように対策をしているのか考えながら日々行動している。より楽しんでもらうためにはどうすればいいんだろうと、考えさせられる時期にもなったんじゃないかと思っている。」
久しぶりに団体客を迎えるホテルでも様々な対策が。検温に加え、エレベーターの人数制限、低層階の部屋には階段を使ってチェックインしてもらうなど、宿泊者が密にならないための工夫がされていました。
ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城・潮田まやさん「(客室は)重点的に10のエリアを選定して、清掃した後に必ず10のエリアは重点的に再度消毒している。何よりも安心安全を感じてもらって、素敵な思い出を作ってもらいたい。」
旅の思い出を彩る「食事」。テーブルの人数を減らし、手袋を使って料理を取り分けるなど、接触や飛沫を避けました。安心できる環境でみんなで食べれば味も格別です。
高校生「久しぶりの旅行なので疲れたけど楽しかったです。」
高校生たちをユニークな案内板で迎える美ら海水族館。徹底した消毒に加え、常に換気されている館内では、この日まで繰り返し来館者の動線が確認され、感染リスクの少ない、より安全な場所を目指してきました。
沖縄美ら海水族館・佐藤圭一さん「様々な技術を活用して、コロナ禍であっても安全に、十分満足いくような情報やサービスの提供を、次々と新しい策を打って提供していきたい。」
半年ぶりに再開された県内での修学旅行。高校生たちにとっていつもとは違う旅になりましたが、この時期だからこその学びもあったようです。
高校生「自分のことを守るだけじゃなくて、沖縄の人とかクラスの友達とかにもうつさないように、みんなのために感染対策をしたい。」
高校生「どこに行くにしろ必ず近くには消毒がある環境で、自分たちもなおさら気をつけないといけないなという思いは強くなった。」
withコロナ時代の「新たな修学旅行のカタチ」完全復活に向けて動き出しています。