就任後、初めて沖縄を訪れている岸防衛大臣は、2020年10月22日玉城知事や辺野古新基地建設に関連する自治体の長などに会って意見を交わしました。
2020年10月21日から沖縄を訪れている岸防衛大臣。10月22日の昼すぎ名護市で、新基地建設が進む辺野古周辺の3区長と渡具知名護市長らと意見交換をしました。
岸防衛大臣は「政府としては市街地の中心にある普天間飛行場を一日も早く返還すべく、キャンプシュワブへの移設に引き続き取り組んでまいりたい」と話しました。
一方、渡具知名護市長からは、「地域住民の生活に配慮するようアメリカ側に強く申し入れを行うこと」や、「新基地建設の工事に伴う交通渋滞の緩和措置を講じること」などを要請しました。
また沖縄防衛局で嘉手納基地を抱える3つの市町長とも面談しました。そのなかで野国北谷町長は、取水源になっている基地周辺の河川や井戸から、身体に有害なPFOSが高濃度で検出されていることを指摘し、「発生源の特定のための現地調査の実施など」を求めました。
そして、普天間基地のある宜野湾市では松川市長と一緒に市役所の屋上から基地の状況を確認、市長は大臣に基地の早期返還を改めて要請しました。
松川宜野湾市長は「返還合意から24年が経過、その返還がなかなか見通しがつかない(返還の)取り組むようよろしくお願いしたいと思います」と話しました。
岸大臣は、「1日も早い普天間飛行場の全面返還と沖縄の基地負担軽減に全力を尽くす」と述べました。
県庁では2020年10月22日夕方、玉城知事と岸大臣の会談が行われ、辺野古新基地建設について玉城知事は改めて対話による解決を求めました。玉城知事は「辺野古新基地建設について、完了まで12年を要すると政府も認める埋め立て工事をただちに中断し、問題解決に向け、県との対話に応じて頂きたい」と述べました。
これに対して、岸防衛大臣は「辺野古が唯一の解決策」とする従来の国の考え方を伝え、議論は平行線のままです。