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ここからはQプラスリポートです。こちらをご覧ください!スタジオに持ってきてもらったのは、「シーグラスアート」と呼ばれる作品です。砂浜に打ち上げられたガラスでできているんです。この作品を手がけた女性は「シーグラス」を通じて「あること」に気づき、日々の生活に生かしていました。シーグラスアートに込められた彼女の思いとは。

波にゆられて砂浜にたどり着く「シーグラス」。長い時間をかけて、丸みを帯びたガラスのかけらから放たれる輝きが魅力です。


きっかけはシーグラスアート「漂着ごみ」を考える

海沿いにたたずむ「隠れ家カフェ・清ちゃん(きよちゃん)」落ち着いた雰囲気の店内、子どもから大人まで多くの人が訪れます。

お客さん「きょうはフォーとガパオを食べました。めちゃ、めちゃ、おいしかったです。」

そんな店内で、ひときわ存在感を示しているのが「シーグラスアート」、カフェの店主・島田春奈(しまだ はるな)さんが手がけた作品です

お客さん「すごい、このシーグラスが素敵だなぁと思いました!」

お客さん「景色もいいですし、春奈さんの作品を見れるのもいつも楽しみで来ています。」

イルカやカメの作品など、水族館をイメージした作品が並びます。「シーグラス」には同じ大きさ、色、形のものがないため組み合わせ方は無限大です。

島田春奈さん「初めて作る作品とかは、(頭のなかの)このイメージ通りにどうはまっていくかっていう、型のないパズルなんですよ。」


きっかけはシーグラスアート「漂着ごみ」を考える

春奈さんがシーグラスアートの世界に入ったのは14年前。

島田春奈さん「21世紀の森ビーチっていうところで砂浜に座ってボーっと話していた時に、砂を集めていて拾ったのが初めて(のシーグラス)でしたね。」

初めて見たシーグラスの輝きに感動したといいます。ただ、作品作りは試行錯誤の連続でした。

島田春奈さん「見様見真似でやるしかなかったので、まずは接着剤から探そうと思って、10種類以上探して、形にできたのは小さくて2年ぐらいかかったんですよ!」

いろんな色の輝きを放つ「シーグラス」そこからできる美しいアート作品、実は、海にただよう「ごみ」からできたものとも言えます。「シーグラス」と「漂着ごみ問題」は切っても切り離せない関係にありました。

島田春奈さん「シーグラス欲しいが為に見ないふりしていたんですね。まわりのごみを…

春奈さんはシーグラスを通して「漂着ごみ問題」を考えるようになりました。海に囲まれた島・沖縄、実は各地のビーチに「様々なごみ」が流れつきます。

鹿谷さん「漂着ごみとして流れつくごみのほとんどはプラスチック製です。種類で言うといわゆる漁業に使うものですよね。魚網の塊であるとか、あと、浮き球。そうしたものが、重さや体積でいうと大体半分ぐらい。残りの半分がいろいろな生活ごみ、圧倒的に多いのはペットボトルです。」


きっかけはシーグラスアート「漂着ごみ」を考える

毎日の生活から漂着ごみになるものが出ていることを知り、春奈さんの店でも、ごみを出さないようにする「エコ活動」に取り組みました。

島田春奈さん「まず最初にストローをやめたんですよね。夏場の暑い時期なんて月800本使ってて、こんなに減らせるんだと思って」

店でのエコ活動はもっと進み、これまで使い捨てだった弁当箱を洗って繰り返し使える容器に変えました。

島田春奈さん「配達してまた回収して洗うっていう人件費は必要にはなったんですけど、年間で1万6000個近くのごみがうち(カフェの)数だけで減らすことができているんですよ」

「シーグラスアートの作品づくり」に「カフェの経営」、さらには、漂着ごみ問題、春奈さんの活動に夫の修二さんは。

島田春奈さん「振り回されているよね?」島田修二さん「振り回されている感はとってもありますけど、(活動は)やらないといけないことだとは思うので、無理せずにできる範囲のことで、楽しくやっています。そんなに苦しいって感じたことはないですね」

先週土曜日、カフェが閉まった後、店の中は春奈さんの新作を交えたシーグラスアートの「個展会場」になっていました。暗くなった夜に行うことで作品をほんのり輝かせ、訪れた人を魅了しました。

お客さん「この暗い場所のなかで、(箱の)後ろからライトを当てて、グラスの質感が素晴らしいと思います」

お客さん「きれいに凹凸とか出て芸術になるんだな~と初めてですね」

お客さん「すごい時間と労力があると思うので、本当に素晴らしいと思います」

初めての個展を成功させた春奈さん、いつか漂着ごみが無くなることを願って、これからも作品を作り続けます。


きっかけはシーグラスアート「漂着ごみ」を考える

島田春奈さん「私の目標としては、将来、シーグラスアートがなくなった時に、昔はこんなごみがあったんだなって感じていただけて、同じようなことを繰り返さないように見ていただけたらというのが目標なので、やっとスタート地点に立てたなっていう、本当にまわりの支えてくれているみんなに感謝ですね」

美しい輝きを放つ「シーグラスアート」は漂着ごみから生まれた芸術です。あなたはこのシーグラスアートを見て何を感じますか?