新型コロナの影響が今、深刻になりつつある場所がありました。それは多くの人の命に直結する献血でした。なぜ、深刻な課題になろうとしているのか。取材しました。
県内で唯一の那覇市久茂地にある献血ルーム。新型コロナの感染拡大を防ぐため、献血ルームも検温やフィルムガードを設けるなど、予防策を徹底し運営しています。しかし。
赤十字血液センター献血推進課・赤嶺廣幸係長「(新型コロナ)その影響もありまして、献血バスを出して実施するんですが、それのキャンセルなどが現在相次いでいまして。」
県内の総献血量のうち、90%を占めているのが企業や団体などによる協力献血。計画的に血液を確保するためには欠かせないものです。この協力献血が今、新型コロナの影響を受けピンチになっていました。
赤十字血液センター献血推進課・赤嶺廣幸係長「各事業所において、例えば献血バスを受け入れて、そこでコロナが発生したとなってしまうと、その事業所の企業運営そこにも影響がでるということもあって敬遠される。」
こちらは、4月から8月の献血をキャンセルしたまたは延期した団体や企業の数。新型コロナ感染の第一波がピークだった4月末から5月にかけては半数以上の団体がキャンセルに。逆に感染者をゼロに抑えられていた7月は、予定していたすべての団体が献血を実施しました。
こうした状況が続くと、献血者の確保・血液の確保が難しくなり、最悪の場合、県内の輸血医療に支障をきたす恐れがあります。
赤十字血液センター献血推進課・赤嶺廣幸係長「毎日輸血を待っている患者さんがいますので、その方々に安定した血液の供給、これを行うにあたって当然、献血者のドナープール数の拡大、それと同時に協力団体や各事業所の方々に献血の受け入れの依頼をかけ続けると。」
献血の赤血球の有効期間は採血後21日間。その40%の血液ががん治療を受けている患者の輸血に毎日使われるため、安定的な供給が必要不可欠です。
新型コロナの影響で献血協力団体などからのキャンセルや延期が相次ぎ、計画的に血液を入手することが困難になったため、現在商業施設などの駐車場を借りての「街頭献血」に力を入れています。
街頭献血にきた方「(Q.きょうはお買い物しにここに来たんですか?)献血しにきました。献血バスがあればパって行って献血できますよね。それがとってもいいメリットだと思います。」
街頭献血にきた学生「(赤十字の)メールでコロナで献血来る人が少ないのでっていう内容が書かれてあったので、暇だったのでちょうどいいかなと思ってきました。(自分に)何ができるかなと思ったときに、献血とかそういったことしかできないのかなと思うので、地道ですけどこういうのを積極的にやりたい。」
メールなどを見て献血にくるドナーもいますが、団体などのキャンセルの代わりに街頭献血を行っているため、周知期間が短いことからこの日も目標としていた献血数には及びませんでした。
赤十字血液センター献血推進課・赤嶺廣幸係長「献血は人命救助なので不要不急の外出にはあたりません。輸血医療これはほかに代替えの利かない治療に当たります。それに使われる輸血用の血液、それは献血でしかまかなうことができませんので、自分または自分の大切な人のもしものために、やはり献血の輪をみなさんですすめていけたらなと思います。」
流行の波が再び、いつ訪れるのか、不安も残りますが、今私たちになにができるのか、考える時ではないでしょうか?