スポーツをお伝えします。全国選抜、インターハイ、国体の3冠を2度達成するなど沖縄ハンドボールの顔ともいえる興南高校の黒島宣昭(くろしま のぶあき)監督。
今年度で定年となり教員生活にピリオドを打つ一方ハンドボールへの情熱は増すばかりです。7月に行われた県総体ハンドボール黄色のユニフォーム興南は前人未到の16連覇を達成。
興南瑞慶山充貴くん「選抜やインターハイはなくなったが16連覇をみんなでがんばっていこうということでモチベーションを保っていた」
選手とともに笑顔で写真に納まるのが興南を指導して38年目黒島宣昭(くろしまのぶあき)監督です。
沖縄を代表する指導者にとっても初めて経験する苦しい夏でした。
黒島監督「コロナの感染で中止になって3年生をどうやってモチベーションを高めて大学でもやる、続ける選手もいたのでどうやっていこうかというのが一番頭をよぎった。いままでやってきたことは絶対に無駄にはならないと思うし次のステップにステージに生かしてほしいと思う」
ハンドボールが盛んな、浦添市出身の黒島監督兄の影響で中学からハンドボールを始めると、興南高校、日体大で活躍後、母校で指導者の道へ
2005年には春の全国選抜、夏のインターハイ秋の国体すべてで優勝する高校3冠を達成。
棚原良(たなはら りょう)選手や石川出(いしかわ いずる)選手、東長濱秀希(ひがしながはま ほずき)選手はじめ国内のハンドボール界をリードする選手を数多く育てました。
さらに2014年も2度目の高校3冠を達成トータルでも選抜5回インターハイ6回国体3回の優勝を誇る全国屈指の実力校として知られます。
黒島監督「(1987年の)海邦国体が終わってから小学校中学校で経験している子どもたちをどうにか高校でも続けてもらいたいという気持ちもあったし、やるからには全国を取りたいという夢があったのでそういった意味では子どもたちとうまい具合に志すところが同じだったのかなと思う」
2度の高校3冠をはじめ輝かしい実績を持つ興南高校ハンドボール部の黒島宣昭(くろしま のぶあき)監督。1990年代から強豪校の多い九州への遠征を取り入れ自身も指導者同士の交流を通して学び確信したことがありました。
黒島監督「沖縄の子どもたちの特色フェイント力、スピードそういったものをハンドボールにも取り入れたら全国でも勝負できるのではないかそういうイメージ、印象はあった」
沖縄ハンドボールの代名詞とも言える堅守速攻をはじめ技術を分かりやすく丁寧に伝える黒島監督。この日小さな弟と一緒に練習へ参加した前キャプテンの瑞慶山充貴くんは監督の教えをこう振り返ります。
瑞慶山充貴くん「時に厳しく時に優しくという感じで指導面ではハンドだけでなく生活面だったり生活面からハンドのプレーが(自然と)出てくるので社会人となってもいい経験ができると思う」
親子2代で黒島監督に指導を受ける選手も数多くいます。
棚原寛人選手(2年)「みんなレベルがとても高くて日々競い合いという感じがあってとても楽しい」
外間大心選手(1年)「勝ちにいきたいのだったら興南に行けと(OBの父に)言われていたので来た。厳しいけど思いやりのあるとてもやさしい先生と聞いている」
次の世代を担う指導者も黒島監督の教え子です。
照屋喜隆コーチ「日ごろから口数が多くはないが子どもたちはその一言一声を感じる僕は口数が多くなってしまうのでメリハリのつけ方(指導の)ポイントの置き方というのは勉強になる」
黒島監督「OBたちは各カテゴリーでハンドボールの実業団だけでなく教員をやっているのもいるし各カテゴリーで頑張ってくれていることが私は誇りに思う。沖縄のハンドボール界を背負って立って欲しい」
現在は副校長も務める興南での教員生活は年明けに60歳を迎え来年3月いっぱいで節目を迎えます。ですが・・
黒島監督「趣味がなくて正直困っているところ。沖縄県のハンドボール協会のためにも全国のハンドボールのためにも頑張ってなにかサポートしたいと思っている」
沖縄ハンドボールのレジェンド。その情熱は増すばかりです。