松山ですが、おとといから県独自の緊急事態宣言とともに休業要請が始まりました。感染拡大に歯止めがかからないなか出されたことで困惑の声も聞こえてきます。松山の現場を取材しました。
町記者「週末は多くの人でにぎわう那覇市の松山地域ですが、ご覧のようにお客さんの姿はほとんどありません」
那覇市松山の繁華街、最後の営業日となった先月31日の夜。観光客はほとんどおらず、見かけることができたのは飲食店の関係者だけでした。
飲食店関係者「感染怖いので休みたいです。みんな仕事したくないと思います」
新型コロナに感染するかもしれない…、そんな不安を抱えていました。
渡嘉敷記者「緊急事態宣言後の松山地域です。通りを歩く人はほとんどいません」
そして、おととい、休業要請が始まった初日の夜、店の明かりも減ってしまっていました。
飲食店関係者「(街の様子が)変わりました。人が少なくなったのと開いている店舗が少なくなりました」
松山周辺の夜の街関連で増え続ける感染者、2つの店で集団感染、いわゆる「クラスター」が確認されていて、感染した人数は客や従業員などあわせて27人にのぼっています。
なぜ、こんなに広がったのか…県をまたぐ行き来が始まったことが原因かもしれない、そんな声が漏れ聞こえてきました。
飲食店関係者「観光客から感染が広がっている感じがするので…。毎日、不安に思いながら仕事しています」
那覇中央社交飲食業協会・伊波興治会長「やっぱり観光客が押し寄せてくる地域ですから、結構、若い子とかが感染を持ってきているかいないかわからないが…。先月かそのくらいから(県外から観光客が)来ている。その前は沖縄はほとんど感染なかったじゃないですか、やっぱり、それが感染のもとが大きいのではないかと…」
大阪から来た観光客、これから松山に繰り出す予定だといいます。
大阪から来た観光客「飲みに行きます、今から。アルコール消毒は絶対しています。どこ行っても」
男性はインタビューに応えて、街の中へと消えていきました。
松山にある夜の街の店でクラスターが起きたことを受け、キャバクラやナイトクラブなどに県が休業要請を出しました。突然の要請に困惑の声も…
那覇中央社交飲食業協会・伊波興業治会長「早ければ早いほど良かったのですが、ちょっと急すぎますね。きのうのきょうで、こういった緊急事態宣言を出すというのは、みなさんやっぱり唖然としていますよ。きょうの予約とか仕入れとかありますから」
期間は15日までのおよそ2週間、応じた事業者には協力金20万円が支払われます。
城間那覇市長「松山地域の接待・接触を伴う有効施設などに対する休業要請を行うとともに、市内飲食店に時短営業を要請することに対し、沖縄県の協力金に上乗せし、休業に10万円、時短営業に5万円の本市協力金を支給することを決定いたしました」
那覇市はきょう、県の協力金に上乗せする形で休業要請の協力金を支給することを決めました。
松山にはおよそ400の店が軒を連ねていて新型コロナに対する不安が日に日に大きくなっています。
飲食店関係者「松山で働いているってだけで、コロナの疑いはかけられますね。街からクラスターが出ているのでしょうがないと思います」
こうした事態を受け、県や市などは松山の夜の街で働く人たちに無料のPCR検査を実施することにしました。検査初日のおととい、会場となったクルーズ船の港に集まった多くの人…。当初、想定していた400人を大きく超え、1000人以上が検査を受けようと殺到しました。
松山の飲食店に勤務「無症状の人が多いと聞いているので、自分ももしなっていたらちょっと怖いですね。結果出るまで、結果が(今月)5日なので、それまで家から出ないように」「知り合いが濃厚接触だったんで(検査に)来た。みんながみんな怖いと思うので、検査して大丈夫だよってなれば、お客様も従業員も安心して街に出れると思うので…」
歯止めが効かなくなってきている感染拡大。休業要請の対象でない店でも売り上げの激減は避けられそうにないと言います。
松山の花屋「うち的には厳しいですよね。他の店が閉まっちゃうとうちのお客さんもいなくなる」
松山の酒屋「(売り上げは)激減ですね。数字的なことは言えないけど、正直、深刻ではあります」
観光立県「沖縄」にとって夜の街での感染拡大を食い止めるため一刻の猶予も残されていません。