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新型コロナが芸術やエンターテインメント業界にも大きな影響を与えている中、挑戦を続ける県出身のアーティストがいます。コロナ禍だからこそ生まれた、新たなバレエの魅せ方とは。

コロナと闘う「芸術の灯を消さない」緑間玲貴さん

県出身で国内外で活躍するバレエアーティスト、緑間玲貴さん。緑間さんが2015年に始め、日本中のファンを魅了しているのが、自身が主演、プロデュースをつとめる舞台「トコイリヤ」。妻の前田奈美甫さんとともに、祈りをテーマに幻想的な世界観を表現します。ことし、4年ぶりの沖縄公演に向け準備していましたが、新型コロナによって開催の判断を迫られます。

緑間さん「社会が少し暗くなる時にいつも私たちは芸術が本当に必要かどうかということを問い直すんですよ。違う形に変わったとしても芸術活動は止めてはいけないというのが私たちの気持ちです。」

コロナと闘う「芸術の灯を消さない」緑間玲貴さん

考えた末に出した答えは、「芸術の灯を消さない」こと。それどころか、新たな試みに挑み始めたのです。

緑間さん「通常は舞台だけだと20人くらいのスタッフを抱えるんですが、50人を超えるスタッフを今回率いて、ほとんど映画を撮るような感じで。(Q.予想外だった?)予想外です。」

なんと公演は、単にインターネット配信をするのではなく、事前に撮影した映像作品と劇場から生のパフォーマンスを配信するという、壮大なプロジェクトに。撮影を行うのは映画の技術スタッフ。事前撮影は、屋外でも行われました。

前田さん「大自然の中で、踊る機会を与えていただいて心が広くなるというか、大地とつながるというのがすごくよく分かったのでとてもいい経験をさせてもらいました。」

公演当日も同じ撮影陣で様々な角度からパフォーマンスが生配信されます。コロナ禍だからこそ生まれた挑戦。それは、劇場側にとっても同じでした。舞台となるのは、ソーシャルディスタンスをとって公演することが劇場にとっていかに厳しいか、SNSに投稿し全国的に話題を呼んだ、宜野座村のがらまんホールです。

コロナと闘う「芸術の灯を消さない」緑間玲貴さん

がらまんホールチーフディレクター・小越友也さん「(SNSの写真について)これが満席というのが僕たちもショックだったんですね。なのでその中で逆にどういったことができるか考えたときに、緑間さんと一緒に新たな挑戦をして次へつなげる、色んな意味での情報を僕たちも収集したいというところ。」

自身が生まれ育った沖縄の文化が作品作りの基盤にあるという緑間さん。どんな状況下でも新たな芸術を生み出すことに挑戦し続けます。

緑間さん「頑張った分だけ沖縄から発信できる芸術力は必然的に高まる。やりたいことという言葉をひっくり返して、ためらいのたを抜いて前進しようというのがトコイリヤという言葉の成り立ちなので、思ったことは確実にしていきたい。」