これからの沖縄の行方を決める、県議会議員選挙がきのう、投開票されました。
ここまでの玉城県政を県民がどのように評価したのか?その審判でもあった県議選を振り返ります。
玉城県政への県民の中間評価とも位置づけられた県議会議員選挙。新型コロナの影響で各候補”これまでにない戦い”を強いられました。
糸満市区定数2の糸満市区。与党と野党が1議席を分け合いました。
島尻・南城地区島尻・南城市区は定数4に対し現職3人に加え自民党の新人が当選。自民党が議席を伸ばしました。
豊見城市区定数2の豊見城市区は与野党の現職1人ずつが議席を守りました。
那覇市区・南部離島地区大激戦となった那覇市・南部離島区は新人4人を含む11人が当選。
与党側は立憲民主党が初の議席を獲得したほか現職4人と新人2人が当選。一方の野党側は現職1人が破れたものの新人2人が当選し議席数を維持。与党系6人、野党系3人、中立系2人の構図になりました。
翁長雄治氏「これまでなかなか若い人の声が届きづらかった部分もあるかと思うのでそこをしっかりと若い人の視点から玉城知事の政策、自分自身の政策を訴え、前に進めていきたい」
新垣淑豊氏「今新型コロナの件で非常に悩んでいる方、困っている方がいらっしゃると思いますのでどういう手当てができるのか、また新しい生活様式をどう提案していくのか、そういったものを県にどんどん発信していきたい」
浦添市区定数4の浦添市区は与党系現職3人と野党系の新人1人が無投票での当選を決めています。
宜野湾市区与野党から2人ずつ立候補した激戦区の宜野湾市区。野党系が2議席を獲得し、与野党の構図が逆転しました。
玉城健一郎氏「(基地問題は)宜野湾の議員としてやらなければいけないこと。普天間飛行所の閉鎖返還を勝ち取るまでやらないといけない。」「これまで30代の議員がなかなかいなかった状態の中で20年後30年後を見据えて政策を考えないといけない。その部分は県政与党として果たしていく」
又吉清義氏「(新型コロナの影響を受けた)経済の立て直し、そして困窮世帯をいかに支援するか、まずそこをしっかりして一つ一つの事業の前倒しをしなければ経済は復活しないと思っている
中頭郡区定数5の中頭郡区は与党系が新人を含め4人、野党系が1人当選を果たしました。
沖縄市区こちらも激戦区となった沖縄市区。共産党の新人のほか自民党の新人も初当選。自民党が1議席伸ばし、与党系2、野党系2、中立系1の構図となりました。
うるま市区うるま市区は与野党の現職2人ずつの合わせて4人が無投票での当選を決めています。
国頭郡区前回と同じ顔触れになった国頭郡区。与野党1議席を分け合いましたが野党系は、新人が自民党の現職を破りました。
名護市区定数2の名護市区は与党の新人と野党現職が1議席を分け合いました。
石垣市区石垣市区は、与野党の現職1人ずつがそれぞれ無投票での当選を決めています。
宮古島市区現職1人、新人2人の構図となった宮古島市区は与野党の新人がそれぞれ野党系現職を破り1議席を分け合いました。
新たな勢力図のグラフこの結果、新たな県議会の勢力図はご覧のようになりました。与党系が1議席減らして、25議席。野党系が5議席増やして19議席。中立系は4議席となり玉城知事を支える県政与党が辛うじて過半数を守りました。
中立系とあわせて県政奪還を目指した野党側でしたが過半数の獲得にはわずかに及びませんでした。
玉城知事「県民の皆様にある意味、私の県政運営についても一定の評価を頂いたのではないかと思います。しかし結果的には議席を減らすというこの現実の状況をしっかり踏まえて、真摯に議会運営、県政運営にあたっていきたい」
ここからは船越記者です。今回の県議選はご覧のように玉城知事を支える立場の与党側がなんとか過半数を維持する形となりました。今回の選挙戦、玉城県政の中間評価と言われましたが結果はどのように受け止めますか?
船越:今回の県議選では与野党、問わずほとんどの候補が新型コロナへの対策を大きく打ち出していたことで基地問題をはじめとするそのほかの政策がやや薄れていた感があり、与野党の対立軸が有権者には分かりにくい選挙になったと思います。
船越:玉城知事を支える与党側は議席数を落としたものの過半数を維持できたことで基地問題をはじめとする玉城知事の県政運営に県民が一定の評価をしていると分析しています。
玉城県政の一定評価はあるとして、ただ、結果を見ると、与党側ではオール沖縄を支える現職が落選するなど、厳しい結果でした。一方で、対抗勢力の自民が議席を伸ばしている。その要因は何なのでしょうか?
船越:投票率が過去最低の46.96%にとどまり与党側は無党派層の取り込みを目指していましたが、投票行動にまで、つなげることができなかったのが、与党側では、苦戦した要因だと考えています。
船越:また県民の多くが新型コロナへの経済対策に注目している中国とのパイプなどを前面に押し出した自民党に政権政党として、解決能力があるとみたのか、少し分があった印象です。
新型コロナの影響で”これまでにない選挙戦”だったという感想が聞かれたが、その中で新人の活躍が目立ちましたね?
船越:今回の県議選の新人候補は比較的若い世代の候補者が多くしかも、コロナの影響で選挙戦がいつものように戦えない中知名度の低い新人には厳しい選挙戦になると言われていました。しかし、若い世代、特に子育て世代の目線からの政策などを力強く訴え、ほかの候補者との差別化が図れていたのではないかと思います。
さて、新しい県政の構図が決まりました。これからの県政、玉城知事や与党の舵取りはうまくいくのか?辺野古の新基地建設問題は今後どうなるのでしょうか?
船越:辺野古に反対する与党側が過半数を獲得したことで玉城知事にとっては辺野古反対の民意もバックにつけた形にはなりますが今回の選挙で辺野古容認の立場を明確にした自民党が議席を伸ばしたことに菅官房長官はきょうの会見で「理解が進んできているのではないか」と話し、政府としては1日も早く辺野古の工事を進めたい考えです。
船越:現在新型コロナの影響で辺野古の工事は止まっていますが政府は今週中にも工事を再開させたい考えで設計変更申請をするなど、政府が強行する辺野古の工事に対し玉城知事がどのような具体的な対抗策をとるのか注目されます。