新型コロナウイルスの感染拡大で密閉・密接・密集のいわゆる「3密」を避ける動きが広がる中、客と近距離にならざるを得ないのが美容業界です。自粛を見据えながら営業を続ける美容室を取材しました。
那覇市久茂地にある美容室「ボーイフレンド」。換気のために常に入り口のドアを開け、レジ横に消毒液を置くなど、徹底した衛生対策を行っています。さらに。
美容室ボーイフレンド・久高友男さん「ドライヤーやブラシ。お客さんが読む本、入口やトイレのドアなどを必ず消毒除菌シートで拭くようにしている」
また、店のスタッフを時差出勤にし、客同士が顔を合わせることのないよう間隔を空けて予約を取るなど、人と人との接触を減らしているといいます。
久高さん「(店に)来る人も不安だろうし、こっちも不安な中でやっているので、果たしてこれでいいのかというか、すべてにおいて不安な中でやっている」
スタッフのマスク着用など店側の対策は徹底できても、カットやパーマの作業が始まると客にはマスクを外してもらわなければなりません。
訪れた人「いつも来ている店なので警戒心はない。でもやっぱりある程度の距離感は保った方が良いんだろうなとは思う」
久高さん「(マスクを外すのは)不安だと思う。あくまでも外してもらわないとできない作業なので、その分、こちらも消毒やマスクを徹底してやっていくしかない」
客は減り続けても家賃やスタッフの給料は払わなければならず、今は自粛も見据えながら営業を続けています。
髪型を整えるだけでなく、気持ちを前向きにしてくれたり、明るくしてくれたりと心を満たしてくれる場所でもある美容室。先が見通せない中、店では明るい雰囲気づくりに力を入れています。
久高さん「(コロナの影響で)話題がどうしても暗い話になっていくし、ネガティブなことになりやすいので、スタッフみんなで明るくしていこうと接客している」
およそ500店舗の美容室が加盟する県美容業生活衛生同業組合。福岡県の美容室でクラスターが発生したことをきっかけに、県内でも休業する美容室が増えているといいます。
県美容業生活衛生同業組合・山内優子理事長「(県内の美容室では)どうにかこうにか、しのいでやっていこうという感覚だったと思う。感染源が美容室になったというのは大きなものだったと思う」
生活に欠かせない業種として政府が行う休業要請の対象にはなっていない美容室。国からの保証がない中で営業せざるを得ない苦しい現状もあります。
山内理事長「美容組合としても本当は(加盟店に)休業してもらって(客との)接触を避けてもらいたいという思いはあるが、営業しない間の保証はどうするのかという問題になるので、強く言えないのが実情」
「感染しない」「感染を広げない」ために…私たちの工夫も求められています。