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来年春の判決が予想される普天間爆音訴訟の控訴審、新たな段階を迎えています。普天間基地周辺の住民らがヘリの騒音被害などを訴え、夜間の飛行差し止めなどを求めている裁判の控訴審で、福岡高裁那覇支部の裁判官らが基地周辺を視察しました。
住民側の説明を真剣な表情で聞いたのは、福岡高裁那覇支部の河辺義典裁判長ら3人。裁判の中で数値で表されている騒音や、基地と住宅との距離感を実際にその目と耳で確認しようと、今朝から基地周辺の7カ所を視察しました。
普天間基地を巡る爆音訴訟では去年、睡眠妨害などの精神的被害を認めた判決が出され、およそ1億4600万円の損害賠償が認められましたが、住民らの強い願いである夜間の飛行差し止めは認められていません。
原告の住民らは、裁判官が現場を視察するこの機会に、長年の被害を訴えようと熱心に説明しました。
そして一行は午後から、5年前にアメリカ軍のヘリが墜落した現場に移動し、墜落した位置などを確認、被害の大きさを確認していました。このあと、野嵩一区公民館では住宅地の真上を飛ぶヘリと遭遇。85.6デシベルの騒音と103.7デシベルの低周波を観測しました。
知念忠二さんは「せめて夜の間、静かに休ませてくれというお願いですから、裁判官の先生方が勇気を持って、この願いを叶えていただきたい」と話していました。
これまでの数々の爆音訴訟でも、アメリカ軍機の飛行差し止めは認められていません。今回の裁判の一審で騒音の違法性を認められているだけに、現地での視察を踏まえて騒音の元を止めるという踏み込んだ判断に原告住民らが期待するのは当然だといえます。