新型コロナウイルスの感染拡大で深刻になっているマスク不足。それは思いがけない事態に発展しました。「買い占め」が起きたある物の工場を取材しました。
吉田鉄太郎記者「スーパーや量販店などでよく目にするトイレットペーパー、およそ30種類を製造している昭和製紙では1日に15万~16万個をつくっています。高さと量に圧倒されます」
新聞紙やチラシなどの古紙を買い取りリサイクルして紙を生産しているうるま市の昭和製紙。生産量は1日におよそ30トンと県内シェアの4割を占めています。幅170センチ、高さ140センチのペーパーロール、これ1本から5000個のトイレットペーパーが作られます。そんな工場に、思いがけず、新型コロナの影響が押し寄せました。
女性「信じてはいなかったみたいなんですけど、みんなが買い占めているっていうから、買っておいたほうがいいんじゃないとなって買いに行ったみたいです」
女性「店頭に並ぶのが遅れたりするのが長く続くようだと不安です。」
女性「(不安は)もちろんありますけど、でももうしばらくの辛抱かなと思っていますけど」
新型コロナの流行で全国的に深刻なマスク不足。同じ紙製品のトイレットペーパーも足りなくなるのではというデマがSNSなどで広がり、県内のスーパーやホームセンターなどでも買い占めが起きたのです。
昭和製紙 営業部 屋嘉比康弘課長「一番は2月29日、それから3月1日、2日がピークだった。店頭にペーパーがないので持ってきてくれないかという(電話が)バーときた状況。1日単位での出荷量になるが(6~12個入りの)パックでいうと3万7千パック。去年の販売に比べて(1日平均)約2倍の商品が出たという状況」
取引先の1つメイクマン具志川店。6個から12個入りのトイレットペーパー150パックを週2回ほど仕入れています。しかし、先週から今週にかけてはいつもの2倍以上を仕入れました。
メイクマン具志川店 兼城良恵さん「デマの(ネットでの)配信があってから結構電話の問い合わせで在庫がありますかという話があったり、あとはスーパーとかが品薄になっているということだったので、親御さんが(県外の)娘さんに(トイレットペーパーを)送るということで大阪とか娘さんのところに送るという形が見受けられた」
工場によると、在庫は十分にあるということ。足りなくなる心配はないと話しています。
昭和製紙 営業部 屋嘉比康弘部長「弊社としては通常通り製造している。あとは在庫の方もしっかりあるので安心してペーパーを購入いただければと思っている」
新型コロナの感染拡大で広がった思わぬ不安。一人一人の落ち着いた対応が求められています。