障害があっても普通高校に通いたい。そんな1人の少年の願いを受け、一人の議員が沖縄を訪れました。れいわ新選組の舩後靖彦 (ふなご・やすひこ)参議院議員。県教育委員会をたずね、障害のあるなしに関わらず、定員内の高校入学確保を求める要望書を提出しました。
県教育庁を訪れたのは、舩後靖彦 (ふなご・やすひこ)議員。ALSという難病と闘いながら、去年の参院選で初当選し、障害者福祉などの向上を目指し、政策活動をしています。その舩後議員が沖縄にやって来たのは、ある家族からの手紙がきっかけでした。
手紙を送ったのは、北中城村に住む仲村伊織さん。仲村さんは知的障害などを抱えていますが、中学までは普通小中学校で地元の友だちと学んでいました。
高校も、みんなとともに進学したい。2年前には公立高校を受験しましたが、定員内でありながらも不合格に。去年も再挑戦しましたが、結果は不合格でした。
伊織さんの母・美和さんは「重度の知的障害の子が普通小学校に行くのは、子どものためにもよくないし、今の学校教育の制度の中では不可能に近いことですと、はっきりとどこに行っても言われた」と話していました。
定員に空きがあっても不合格となる「定員内不合格」。平敷教育長と面談した舩後議員は「学ぶ意欲がある子どもが分け隔てられることなく学ぶ権利の保障のため、定員内不合格を出さないように尽くして欲しい」と訴えました。
舩後議員「最も教育を必要としている子どもを排除したところで成り立つ、『適格者主義』の教育は、ある意味教育機関としての敗北ではないかとすら感じております。」
舩後議員はこの後、仲村さんたちと面会することになっています。
さて、船後議員ですが、県教育庁での面談を終えて先ほど取材陣のインタビューに答えました。それによりますと、県はきょう提出した要望書に対して、今後回答するとしましたが、3月までに結論を出すのは難しいとして、仲村さんが4月に入学する希望は叶えられない結果となりました。
ただ、今後については、インクルーシブ教育を考えようとしているという手ごたえは感じたとしています。
仲村さんたちが挑んでいるテーマは、分け隔てなく学ぶ権利を確立すること。そして同時に、障害のあるなしに関わらず、みんなが同じ学校で学ぶいわゆる「インクルーシブ教育」と呼ばれるものの実現です。
学校とはどんな場所なのか、障害のある人もない人も暮らしやすい社会とは何なのか、中村さん家族の取り組みは様々なテーマを投げかけています。