シリーズでお伝えしている今年1年の沖縄を振り返る「シリーズ2019」。きょうは県内の「事件・事故」です。衝撃の事件から印象的な珍事件までを振り返ります。
金城記者「事件はキャンプフォスターの目と鼻の先にあり、米軍関係者が多く居住する地域のアパートの一室で発生しました。」
4月、北谷町のアパートで、アメリカ海軍兵の男が、元交際相手の日本人女性を殺害したあと自殺した衝撃の事件。男には、女性に接近しないよう憲兵隊から軍事保護命令が出ていましたが、事件の日は、外泊許可をとっていたことが発覚。兵士の外出などを規制するリバティー制度の運用が疑問視されました。
そして6月にはこんな事件も。大麻を所持していたなどとして、高校生5人を含む未成年者10人が摘発されました。危機感を募らせる大人たちですが、街中(まちなか)の高校生からは…。
高校生「友達が大麻やっているって噂ありました。」「先輩からもらう(と聞いた)その先輩は知り合いとかエイサーの青年会とか。」
半年がたった今月、事件はさらに信じられない方向へ。
宇美町議会・南里正秀議員「沖縄の方にね、まして、高校生など20人を巻き込んでなんてことをやってくれたんだろうかなって憤りを感じてますね。」
福岡県宇美町の元町議、時任裕史(ときとうひろのり)被告が、知人の男から仕入れた大麻が、軍属の男を介して県内の少年たちに流れていたのです。
先月末までに県内では大麻取締法違反の疑いで128人が摘発され、このうち未成年は23人と、去年の同じ時期と比べ3倍以上に増加。大麻が若者に忍び寄る実態が明らかになりました。
一方、若者の頼もしさを感じるこんなできごとも。
4月、高校生(那覇高3年・玉城弘次廊さん)が家族旅行で埼玉県を訪れた際、火災現場に遭遇。家の2階に取り残された少女を救出。
糸満市の中学生(糸満中学校3年・具志川楓碧さんと上原琉唯さん)は、橋の上から川に飛び込もうとしている女性を引き留めました。
上原琉唯さん「1人だったら、もしかしたら助けていなかったかもしれないけれど、2人いて、助けることができて、良かったなと思いました。」
そして、、忘れられない珍事件、といえば~!?
沖縄こどもの国職員「いた!いたいた」
金城記者「サルが木の上に上って動いている様子が確認できます。サルの本領を発揮しています。」
沖縄こどもの国・事務局長「職員で鍵の閉め忘れがありそこから逃げていると聞いている。」
6月、沖縄こどもの国から、ヤクシマザル14匹が脱走。50時間にも及ぶ、サルと人間の攻防を繰り広げました。逃げたサルは園の外にも逃げていることがわかり、警察・消防など100人態勢で捜索しました。
走っていく職員「危ないので来ないでください。」
捜索3日目。ついにその時がやってきました。
沖縄こどもの国・神里興弘園長「不安を与えてしまったことに対し、改めて深くお詫び申し上げます。」
今年8月まで、去年を大幅に上回るペースで発生したマリンレジャーの事故。第11管区海上保安本部によりますと、きのうまでに管内で起きたマリンレジャー事故者の数は99人。過去5年間で2番目に多い数となりました。そして・・・
松永さん「東池袋の事故の署名活動を行っております。ご協力お願いします。」
最愛の家族を失った男性の叫びが、世の中を喚起しました。4月、東京・池袋で、当時87歳の男が運転する車が暴走。松永真菜さん(31)と娘の莉子ちゃん(3)が死亡しました。
遺族は、加害者の厳罰を求め、真菜さんの地元、那覇市でも署名活動を実施。そこには、事故を無駄にしてほしくないという思いがありました。
松永さん「それぞれのご家庭で事情があることは承知していますが、少しでも運転に不安がある人は運転しないという選択肢を考えてほしい。」
この事故を機に、高齢ドライバーの運転が全国的議論となり、県内でも事故の翌週、免許返納者数はおよそ2倍となりました。
しかし、どれだけ時間が過ぎようと、事件や事故の被害者は苦しみから放たれるわけではありません。
「私は13歳の時に性暴力に遭いました。ずっとこの50年間、半世紀にわたって時間が止まったようでした。」
8月には自身や身近な人が過去に受けた性被害を打ち明け、性暴力の根絶を訴える「フラワーデモ」が県内で始まりました。話す勇気に、乗り越えて生きている勇気に、「花」を。
様々な事件事故があった2019年。その影には、今も苦しみに立ち向かう人たちもいます。シリーズ2019、最終日のあすは「世相」です。