ことし1年を振り返る「シリーズ2019」、きょうは「経済と観光」についてです。
ことしは観光客1000万人を超えや大型ショッピングセンター開業、新たなコンビニエンスストアの進出など様々な観光と経済の動きがありました。
2019年、県内では6月浦添市に西海岸沿いにパルコシティが、そして7月には全国で最後の出店となったセブン‐イレブンがオープン。
また恩納村には、ハワイの老舗高級ホテル・ハレクラニが開業するなど県内の経済や観光にとって明るい話題が多い年になりました。
りゅうぎん総研・調査研究部武田智夫部長「2019年に関してましては、1年を通すとですね景気は拡大しているということになります」
りゅうぎん総研では、経済動向を「消費」「観光」「建設」の3つの関連分野で分析、「建設」は工事の受注残高もあり活気づいているとみています。しかし、「消費」についてはある見方を示しました。
りゅうぎん総研・調査研究部武田智夫部長「「消費関連」もですね、9月まではかなり動きがよかったんですけれども、10月から消費税率の引き上げの影響が出てきたと。弊社の方では、全体的に10月からですね拡大の動きが一服感が見られるということで少しワンランク、トーンダウンしております」
ことし10月、5年ぶりに引き上げられた消費税。税率が8%から10%になりました。モノレールや路線バスの運賃など値上げされました。
増税と同時に今回から導入されたのが軽減税率とキャッシュレス消費者還元事業。
こちらのスーパーでは、利用者に消費増税前から軽減税率とキャッシュレス消費者還元事業について説明を展開しましたが。
丸大・管理部植田奈利子さん「雑貨とかお酒だけに限らず、食品とか生鮮食品、8%の軽減税率の対象になるものに関しても、やはり駆け込みが見られたという点では、複数税率というか軽減税率に関しての告知というのはやっぱり十分でなかったかというのが反省としてはあります」
また、キャッシュレス消費者還元事業については、こんな指摘も。
丸大・管理部植田奈利子さん「ポイントで還ってくるのか、値引きで還ってくるのか、わからないと、お客様から「5%の還元ってよく聞くけど、どうやって還ってくるの?」「どのポイントが還ってくるの?」という疑問を多くいただきます」
この店舗では、利用者に「還元」を実感してもらうために独自で電子マネーを導入。レジで清算すると即時に還元されたことがわかるようになっています。
丸大・管理部植田奈利子さん「増税する一方では、国のほうで消費の冷え込みというのを危惧してこういう対策を出しているんだったら、すべての人に平等にこの還元事業というのは、できるだけ多くの方にですね、ご利用いただきたいという思いが私どもにはあります」
しかしこの制度は、来年6月末までのもの。その後の不安も、
丸大・管理部植田奈利子さん「不安が本当にあります。私たち中小のスーパー・小売(業)が、どういうふうにして来年の6月以降、(大手と)対抗していくかというは、お客様に本当に正面から向き合っていって、地に足の着いたサービスと商品の提供というのをしていくのが一番かなという風に思っています」
りゅぎん総研も、消費に関する経済動向を懸念しています。
りゅうぎん総研・調査研究部武田智夫部長「現状のままで行きますと、そうすると来年の6月末にそれが切れるわけですねですから、その部分で消費関連は、もう一段落、動きが鈍るんじゃないかとみております」
玉城知事「年度目標の1000万人にはわずかに届かなかったものの、前年度に引き続き900万人台を記録し、6年連続で過去最高となっております」
2018年度の「県を訪れた」観光客数は、999万9,000人と発表した玉城知事。目標だった「1000万人」に届かなかったとの報告でしたが・・・・。
県文化観光スポーツ部・新垣健一部長「昨年度の目標をこんな形で超えて正直申し上げて複雑な気持ちです」
去年7月と8月に臨時便を運航していた航空会社による申告漏れがわかり、再集計の結果、1000万人を越える形に・・・。
とはいえ、ことしも好調に推移している観光客数。
10月までに860万人あまりと去年と同じ時期に比べて30万人ほど上回っていて、年間を通して1000万人を越える想定です。
沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎(しもじ・よしろう)会長は、ことしも順調に推移したと述べました。
OCVB・下地芳郎会長「観光客数という視点で行くと、順調に推移をしたと。前半はとくに国内・海外ともに増加をしておりましたけれども、後半、韓国の情勢の問題があって外国人の伸びがやや鈍化しましてけれども、トータルとしては、順調に推移をしていると」
来年には、那覇空港の第2滑走路の供用開始、そして、東京オリンピックと観光にとって明るい話題が多いなか、こんな懸念も・・・
りゅうぎん総研・調査研究部武田智夫部長「二本目の滑走路に期待をもって、ホテルの新設もしくは既存のホテルの増改築をしていたと思うんですけれども、弊社の見通しでは、それほど観光客、増えはするんですけども、当初の想定よりは増えないという見方をしております」
下地会長も同様の懸念を示しました。
OCVB・下地芳郎会長「とくに宿泊事業者の皆さんからは観光客数の増加の比率に対して、供給容量の増加が上回っている状況ですので、具体的な対策として、これからどうできるかについては、観光業界の皆さんとも意見交換をしながら取り組んでいきたいという風に思っています」
2018年度、県内の観光収入は7340憶5000万円あまりと6年連続で過去最高を記録しています。
しかし、下地会長は観光収入の目標を1兆円としているなか道半ばと語ります。
OCVB・下地芳郎会長「沖縄の観光の第一の目標である観光収入、当初では1兆円を目指していたこともありますので、残念ながらまだそこには至っていない(観光客に)満足をしてもらうための新たなプログラムの開発だとか、「観光の質」を高めていくことで全体としてのプラスにつなげていくことができればいいなというふうに思っています」
来年は、日本が世界に注目される年、沖縄をどのようにPRしていくのか?下地会長は絶好のチャンスととらえています。
OCVB・下地芳郎会長「これまで東アジアを中心だったインバウンドマーケットをより広げていくチャンスでもありますし、沖縄の文化的魅力を発信する機会としても絶好のチャンスだと思っています」
来年への課題もある一方で明るい話題も多かったこの1年。沖縄の観光と経済は2020年へ向け期待が高まっています。