おととし12月、宜野湾市の保育園の屋根で、アメリカ軍ヘリの部品が見つかってから2年が過ぎました。「子どもたちが安心、安全に遊べる当たり前の日常を実現したい」。お母さんたちは先日上京し、3度目の政府要請を行いました。
先週金曜日、東京へ向かうため空港にやってきた、チーム緑ヶ丘1207の神谷園長やお母さんたち。諦めない、強い思いがありました。
与那城千恵美さん「行くときは今度こそ、という期待を持って私たちは挑んでいるので、今回こそは良い回答がもらえるように期待しています。」
おととし12月、アメリカ軍ヘリの部品が見つかったのは、保育園の屋根の上、園庭までわずか数10センチのところでした。アメリカ軍は、これがアメリカ軍ヘリの部品であることは認めながら、飛行中に落下したものではないと否定しています。
この2年間、仕事や子育ての傍ら、危険にさらされた園の現状を考えてもらおうと講演会に登壇したり、手作りのイベントを開催してきたお母さんたち。
お母さんたちが、国に求めているのは、2年間ずっと変わらず、3つのことです。
与那城さん「1.事故の原因究明及び再発防止、2.原因究明までの飛行停止、3.普天間に離発着する米軍ヘリの保育園上空の飛行停止、この2年での具体的な進捗についてお聞かせください。」
今回の要請に、初めて参加した人がいました。緑ヶ丘保育園の保育士、瑞慶覧愛美先生です。2年前、屋根にものが落ちる音を聞いていました。
瑞慶覧愛美先生「2年前のあの日あの時間、本当に奇跡のタイミングだったと思います。あと落下物が50センチずれて園庭に落ちていたら。想像しただけで今でも背筋が凍り手が震えます。どうか飛ばない約束を守らせてほしいです。保育園に通う子供たちをはじめ沖縄の子どもたち、県民の命を守ってほしい。どうかよろしくお願いします。」
そんなお母さんや先生の訴えに、国は。
防衛省担当者「米軍機が直上かどうかはともかく、近郊を飛んでいることについては我々としても米側に対して考慮を要するエリアから離れて飛びようにと何度か申し入れしている。それが皆さんに実感いただける状況になっていないとのことですので、引き続き申入れの対応をさせていただきたいと改めて認識した。」
防衛省担当者は、沖縄防衛局が今年行った、園上空のアメリカ軍機の飛行状況の調査結果をアメリカ軍に伝えたことを明らかにしましたが、要求にかみ合う回答は返ってきません。
担当者「この問題は非常に難しい問題がある。やはり普天間基地という街の真ん中で多数の学校・保育園に囲まれた場所にある基地の状況が根本的な問題。それに対応するために政府としては普天間基地の返還に向けて最大限の努力をしているつもり。」
また警察庁担当者は、「県警が保育園の屋根の痕跡や調査を行っているところ」という回答にとどまりました。
お母さんたちのたったひとつの願い、「子どもたちが安心・安全な空の下遊べる環境にしてほしい」。その声に答える具体的な取り組みは、事故から2年経っても始まっていません。