辺野古新基地建設をめぐって普天間基地を抱える宜野湾と埋め立て工事が進む名護の市議会で工事の促進と中止を求め相反する意見書が可決されました。
「普天間基地を辺野古に移設するべきなのか、地元・宜野湾市議会での議論の行方を多くの人が見守っています。」
辺野古推進の意見書を提出した・呉屋等議員「普天間飛行場の一日も早い危険性除去のため、同飛行場の米軍基地キャンプシュワブ辺野古崎への移設・統合を進めるべきである。」
宜野湾市議会では、与党会派から普天間基地の辺野古移設促進を求める意見書が出されました。
上地安之議長「本件に対する討論します。」辺野古移設の是非について賛成と反対、双方の立場から激論が交わされました。
賛成:平安座武志市議「キャンプシュワブへの移転・統合こそが現在、唯一の現実的な解決であり、この事業を前に進めてもらうことが普天間飛行場の危険性除去・全面返還への最も早い方法なのであります。」
反対:玉城健一郎市議「選挙によって何度も県民、市民は民意を示してきた。そのような中、日米両政府が進めようとしている民意を無視した辺野古への普天間飛行場の移転は日本の民主主義への挑戦である。」「今の政治に求められているのは、辺野古を認め恒久的な基地建設を認めることではなく、保守・革新の対立を超え、県民の心をひとつにし、沖縄が置かれた不条理を正していくいくことではないでしょうか。」
議論の結果は… 上地安之議長「起立多数であります。よって、本件は原案の通り可決されました。」採決の結果、賛成派が過半数を占め辺野古移設を求める意見書が可決しました。宜野湾市議会で辺野古促進を求める意見書が可決されたのは初めてです。
賛成の傍聴者「宜野湾市民が今とても基地があるということで、とても負担を感じているので、早く撤去させるにはそこ(辺野古)しかないということで当然だと思います。だから、(意見書が可決して)良かった。」
反対の傍聴者「辺野古に持って行った時にね、(宜野湾と)同じ状況があるし、そして、規模は小さくても強化なんですよね。強化されると辺野古どころか、全県的にそういう被害を被るということ、なんでわからないのかなっていう歯がゆさを感じました。」
松川宜野湾市長「今のところ、容認せざるを得ないということは、議会でも申し上げているんだけど。」「市議会をあげて、可決をされたということは大変重く受け止めざるを得ないものと思います。」
一方、辺野古新基地建設が強行される名護市議会ではきのう、辺野古新基地建設の中止と普天間基地の運用停止などを求める意見書が可決されました。意見書では問題を解決するためには国民的な議論をすることが必要だと訴えています。
普天間基地の危険にさらされ宜野湾では「賛成。」基地建設が強行される名護では「反対。」意見は分かれたものの、ともに米軍基地に翻弄される沖縄の姿が浮彫りとなったかっこうです。