糸満市では、ハーリーで沖縄一のチームを決める「沖縄爬龍舟フェスティバル」が開かれ、熱気に包まれました。意地とプライドがぶつかるレースを追いました!
きのう、県内外から糸満市の漁港に集った屈強な人々彼らの目的は、沖縄の伝統行事「ハーリー」の県内ナンバーワンを決める大会でした。
選手宣誓「感謝の気持ちを一漕ぎ一漕ぎに乗せ、全身全霊で戦うことを、ここに誓います。」
今年で10回目の記念大会を迎えた沖縄爬龍舟フェスティバル!県内外から約100チームが出場しました。
県内各地に伝わるハーリーは船の形も波をかき分けるオールの形も様々ですが、大会では伝統ある糸満のハーリー船とオール、かいで統一し、勝負を競いました!目立ったのは外国人のチーム。今やハーリーは世界を魅了するスポーツでもあるのです!
沖縄爬龍舟フェスティバル・新垣重人事務局長「糸満ハーレーが旧暦の5月4日に決まっていて、旧暦文化なので、日曜日にあたる確率が少ない糸満で、日曜日にやれば強いチームが集まってきて、真の沖縄一が決められる。将来的には世界大会ができればいいなと。」
レースは4つカテゴリーで行われ、中でも注目は沖縄一の称号をかけて競う「沖縄ナンバー1決定戦」。近づく本番を前に静かな闘志を燃やすしていたのが、優勝候補に名前があがるうるま市の「はまゆう」。チームのメンバーは全員が同じ職業だったのです。
優勝候補に名前があがる浜比嘉島チーム「はまゆう」、メンバーの職業とは。普段はうるま市浜比嘉島で、もずく漁を行う漁師たち。チームワークはどのチームにも負けません。
浜支部・赤嶺吉秀さん「沖縄の実力を見せるだけ。」
はまゆう・金城良太さん「(チームは)負けず嫌いという感じ。ハーリーが好きというよりかは、大会に出たら勝ちたいみたいな、2番とかになっても怒られるので。」
浜比嘉島の海人としてのプライドを胸にレースに挑みます!
一方、県外からハーリーナンバーワンの称号を狙うチームもいました。それが関西からやってきた「磯風漕友会」。兵庫県相生市の病院に勤務する看護師や、看護学校に通う学生で構成され、普段はハーリーの専用練習場で腕を磨く強豪です!
磯風漕友会・河田英幸監督「職業が看護師なので、その瞬間を生きている人たちのサポートをしてきた人間として、(全員が)チームで自分ができることを精一杯やるということをしている。」
磯風漕友会・井上健さん「まずはやっぱり一着でゴールしたいですけど、どれぐらいのタイムとか速度が出るのか読めないんですけど、何とか総合1番で帰って来られたら。」
メンバーが気にしていたのはいつもとは違う櫂。全員で持ち方を確認します。
磯風漕友会・井上健さん「滑りそうだなと思って。」
それぞれの意地とプライドをかけたレースがついに幕をあけます。
沖縄ナンバーワン決定戦には11チームが参加。浜比嘉島のはまゆうと、兵庫県の磯風漕友会は、順調に勝ち上がり準決勝へ進出。決勝をかけた上位3チームの戦い。
はまゆうが、地元糸満の強豪「新友会(にゆうかい)」と対戦します。はまゆうは、終始息の合ったレースを展開しましたが、惜しくも2位。準決勝で姿を消します。一方、磯風漕友会は、地元チームを相手に最後は驚異的な追い上げを見せ、決勝に進出します。
そして迎えた決勝。兵庫代表が勝つか。地元糸満が勝つのか・・・。最後は他を圧倒する櫂さばきで、磯風漕友会が、初出場にして初優勝を果たしました!
磯風漕友会・井上健さん「祭りでもあるところもあると思うんですけど、地域の人がすごく大事にしている文化が伝わってきて、今度は歴史を掘り下げて参加する機会があれば挑みたい。」