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こちらをご覧ください。宮古島市や多良間村で建築が確認されたホテルなどの宿泊施設の推移を表したグラフです。年間20件前後で推移していたものが、昨年度は3倍近いおよそ60件となっています。

Qプラスリポート 宮古島「土地バブル」“活況”の影で市民は…

まさに「土地バブル」の様相ですが、その裏で、島に住む人たちへある影響が起きていました。

宮古島在住の男性「バブルと言われていることが本当にバブルなのかわからなくて、一部だけなのかなという感じもする」

伊良部島在住の男性「(高校生の)子どもがいるけど、下宿させられる家から通わせたいけど。家賃が高いから、そうもできないから(自分の)家から通わせてる」

宮古島の住民から漏れる「悲痛な声」。原因は、住民を蚊帳の外に置いたまま進むリゾート開発でした。

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宮古島市では4年前「伊良部大橋」が開通。今年3月には「下地島空港」の新ターミナルが開業し、さらには、東京と宮古島を結ぶ「直行便」が就航。

これにより、観光客が急増。人口およそ5万人の島に、昨年度はおよそ110万人。5年間で倍以上になりました。しかし、島の人からは「観光公害」という声も聞こえてきます。

伊良部島在住の女性「どもを連れて、トイレ入ろうと思ったらすごい汚れてて、汚物とか」

伊良部島在住の高校生「伊良部の自然がどんどん少なくなってきていると感じます。今まで遊んできた場所がなくなって、そこにホテルが建てられてるので、そこは悲しいです」

島ではホテルが不足し、急速なホテル建設が始まっています。

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金城記者「伊良部島屈指の観光地、渡口の浜です。後方の海岸線沿いの土地には、すでにホテルが建っていたり、建設中の場所もあります。まだまだ手付かずの場所も多く見られますが、そのほとんどが高額な値段ですでに買い抑えられているということです」

不動産関係者によりますと、元々原野だった海岸線沿いの土地は、ロケーションの良さから観光需要が高まり、地価が数百倍になったといいます。

さらに、陸上自衛隊などの公共工事も重なって、島の外から来る建設業者やホテルの従業員の宿舎として、多くの賃貸物件が借り抑えられたことから、一挙に住宅不足となり、家賃が高騰。家賃相場は瞬く間に那覇市を飛び越え、東京並みに。

宮古島におよそ400世帯を持つ不動産業者は…

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たけちゃんほーむ・武島多加雄代表「当初、宮古島は1ルーム、1Kは大体4万から5万ぐらい。実際の相場は今は倍。8万とか10万になっています。家主も宮古島がバブルというのは知ってますので、大家さんから言ってくるんですよね、『8万ぐらいで貸せられるでしょ』と」

バブルによって家賃が高騰する宮古島。実際に影響を受けた人に話が聞けました。

家賃が増額した男性「こちらが自分が住んでるアパートです。(今年4月から)共益費が2000円から3000円になるということと、駐車場代が今まで家賃に含まれていたものを別(4000円)で取るという話になって、家賃自体はプラス5000円は8月から上げるということなので、トータル1万円上がるという話になりました」

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家賃の増額は、家計を圧迫します。

家賃が増額した男性「(生活費の)どこを削るかということで、家族で色々話して、車じゃなくて、出勤も歩いてやるかとか話してます。収入は上がらないまま、こうやって家賃とかが上がっていくと、生活的には苦しくなってくるというのは感じます」

たけちゃんほーむ・武島多加雄代表「地元の給料も大体知ってますけど、これだと(10万円)だと、給料の半分以上いきますからね。住めないです。正直に言うと」

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こちらは県内のそれぞれの市町村における1人当たりの所得を示したグラフです。県全体での平均は216万6000円。那覇市は243万7000円。そして、宮古島市は41市町村のうち33位で、平均を下回る196万2000円となっています。

また、こちらの男性は、母親が借りている住宅に新たな借り手が見つかったとして、大家から1,2カ月後に退去するよう命じられたというのです。

母親が退去を命じられた男性「(母が)今住んでる借家なんですけど、借家が売りに出てるので早急に出てもらいたいという一報が入りまして、『そんな急に』みたいな、そういう話だった。話を伺うと、その借家が一般的な今までの家の価格よりも2倍近い値がついていると」

このような状態の中、行政が島のリゾート開発に介入することは難しいと弁護士は話します。

法テラス宮古島・長尾大輔弁護士「自由経済といいますか、需要に沿って、ホテルやアパートを建設するというところにダイレクトに行政が関与するというのは難しいのかなと思います」

一方で、行政が観光地や居住地などのすみ分けをすることが重要だという意見も。

濱元毅不動産鑑定士「ゾーニング(都市計画)をしっかりさせるということは、一つの方法としてはあるかなとは思います。例えば、ここであればリゾート開発はできるけれども、ここは農業地域ということで、農業以外の利用法ができないとか」

QABではこの意見を市の担当者に伝えたところ、住民に弊害が生じているとの認識は「ある」としたものの、「個人のやり取りに行政が介入する方針はない」とコメント。

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たけちゃんほーむ・武島多加雄代表「(Q:この状態はどれくらい続きそうですか?)(建設業者が)もうあと5年くらいは工事があるって言ってるんですよ。建設作業。最低でも5年くらいは続くと…わからないですね…先ばっかりは」

伊良部島在住の男性「『何のための開発なの』『何のための観光なの』というところを僕らはもっと声を出していかないと、ただただ暮らしづらくなるだけだったら意味ない」

急激な変化に住民は取り残されたまま、開発は今も進んでいます。