めざせ甲子園。きょうは宮古工業です。春の県大会は部員10人で3回戦進出。何事もプラス思考のエースを中心に夏も活躍を誓います。
前川監督「本当に自信を持ってやっていこう。インフルエンザが流行っている体調管理をしっかりしてくださいこの少ない人数なので1人2人かけても厳しい。迷惑のかからないように」
全校生徒148人の宮古工業高校そのうち野球部員は新入生1人を加えた11人。だがこの日は体調不良で2人が休んで9人での練習。 おのずとやれることは限られてくる。それでも印象的なのは屈託のない選手たちの表情だ。
荷川取麟汰主将「人数が少ない分1人1人が仲が良いというか個性を出していっていいチームだと思う。この夏良い結果を残して工業の野球部員をもっと増やしていきたい」
新里健太選手「やる時はやって、笑いあう時は笑ってみたいな感じでずっと今までやってきて楽しい」
県春季大会では接戦を勝ち抜きベスト16入り 2回戦ではシード校嘉手納をやぶった
のんびりした雰囲気の中にも力を秘める宮古工業迎える夏は4月に赴任したばかりの前川等監督が指揮を執る
前川等監督「この3年生は教員の人事の関係で1、2、3年と毎年監督が代わって、この子たちにとっては落ち着きがなかったかもしれない。子どもたちをどうこう私の指導で変えるということではなくこの子たちが持っているもの、本当に100%できるようにやろうと」
打撃陣ではキャプテン荷川取麟太(にかわどり りんた)そして新里健太(しんざと けんた)など身体能力の高い3年生たちがチャンスを点に結びつける。
そしてチーム一番の看板はエースの宮城凌我(みやぎ りょうが)直球、変化球ともにキレのあるボールそしてスタミナで春の1、2回戦は2試合連続完封。チームをベスト16まで導いた立役者は向上心を一番の持ち味としている。
宮城凌我選手「キレを出すためにより前でリリースすることを考えてやっている中でどうしたら前でリリースできるかなということを考えながらやっている。自分がチームの中でプラスに出来ることはプラスにしてそういうことが出来るようになればもう少しピッチャーとして、エースとして大きくなれると思う」
1年生のころからバッテリーを組む佐和田優翔(さわだ ゆうと)も受けるボールの手ごたえとともにエースの成長を感じている。
佐和田優翔選手「3年生になってからは周りに自分からも声をかけられるようになったし、試合の中で自分でも修正して投げられるピッチャー。県(大会)で上に行っても通用するピッチャーだと思う」
中学までは強打の野手として活躍した宮城全国の離島地域の中学生大会 離島甲子園では宮古島勢初の日本一に貢献した。野球の強豪校からの誘いもあった宮城だが地元の工業高校への進学を選んだ。
宮城凌我選手「一番はやっぱり資格が取れるのが決め手だった。工業に決めたのは第2種電気工事士、持っている国家資格は危険物乙四類。この2つ」
4人兄弟の長男。自分自身を日々凌駕してほしいと名付けた両親は学生としての本分も大切にさせている。
母宮城千恵美さん「成績を落とすのであれば野球を辞めさせるということで今までやってきて、頑張っているとは思う」
父宮城正人さん「先生方も一生懸命指導なさっている この子自身が親に恵まれ(野球の)指導者に恵まれ学校の先生に恵まれている。ラッキーボーイ! 」
親譲りの前向きな心はピッチャーとしても注目されるまでに宮城を成長させた。
宮城凌我選手「工業という環境の中で逆に部員が少ないのが本当に自分にとってはラッキーだったと思う。自分たち(3年生は)最後の夏なので本当に悔いは残したくない自分だけでなくチーム全体でも悔いの残る試合には絶対にしたくない」
小規模校の小さな野球部心は前向きに、ポジティブに部員11人が夏も宮古から旋風を巻き起こす。
荷川取主将「笑顔を忘れず楽しく宮古工業らしい相手に飲まれない野球をしたら勝てると思う」
新里健太選手「先に点が入れば宮城もリズムよくいくし、粘って勝つ!」
「ぜったい勝つぞ!」