きょうのめざせ甲子園!は沖縄工業です。春の大会でベスト4に入りさらなる高みを目指す夏。その強さの背景にある「チーム力」に欠かせない存在がいました。
この夏の第4シード・部員数89人の県立沖縄工業高校。取材前日に夏のベンチ入りメンバー20人が発表された。
知念聖太主将「背番号をもらえなかった3年生が20人近く居る中で自分たちは背番号をもらっている分(しっかり)やっていかないといけないなと改めて感じた」
仲間の思いも胸に夏に挑む沖工ナインの戦力はこちら。機動力を引っ張るのは大所帯のまとめ役で俊足のキャプテン知念聖太。1月の野球部対抗競技大会ではダイヤモンドを1周する塁間走で県1位の13秒88。
沖縄一の足は試合でも相手から警戒されるが次の塁を狙う気持ちは譲らない。ここまで公式戦での盗塁失敗はゼロだ!
知念主将「自分は次を考えてみんなのために何が出来るかを考えて一番はチームのためにと思ってやっている」
さらに攻撃面ではこの夏、花開こうとする3年生が!松田航大(まつだ こうだい)。高校入学から腰の痛み・ヘルニアに苦しみ続けた。
松田航大選手「約1年間練習にも参加できなくてずっと試合のサポートや練習の影ながらのサポートしかできなかったので悔しい思いをした」
悔しさをバネにリハビリや減量でケガを乗り越えた松田は得意のバッティングが認められ高校最後の夏に初めてベンチ入りを果たした!
松田選手「初めての背番号が3番で緊張しているが、試合に出られない3年生の気持ちの部分を背負って自分のプレースタイルであるフルスイングをしっかり初戦から取り組んでいきたい」
新戦力も加わり、夏に向け戦力も充実してきた沖縄工業。しかし、彼らの力は数字だけでは計り知れない。
チームは去年10月、学校そばでの火災にいち早く気づき、消火活動に当たった。被害の拡大を防いだとして野球部は那覇市消防局から感謝状が贈られた。
知念主将「人の役に立つということをミーティングでも言ったり周りから応援されるチームを目指しているので、そこは積極的に(消火活動に)行った」
ここぞというところで「ひとつ」になれるチームワーク、団結力が沖縄工業の力。その中で欠かせない存在がチームにはいる。
部員89人の沖縄工業野球部。その大所帯をまとめる知念キャプテンには心強い同級生がいる。普段は控えめだが…
ノックバットを持つと日々鍛えた腕が光る。選手ではなく学生コーチとして野球部を支える又吉陽生(またよし はるき)練習の準備をしたり、気づいたことを選手にアドバイスしたりノッカーも任されている。
又吉陽生学生コーチ「毎日自主練習でも打たせてもらっている。自主練習でいつも残っているメンバーはどんどん守備がうまくなっていてエラーも少なくなってきているので夏の大会は頑張ってほしい」
入学時は「選手」としてプレーしていた又吉。学生コーチになることは試合に出て、プレーすることはできない。決断には長い時間がかかった。
又吉学生コーチ「もっと(選手として)頑張れたのかな、夏の大会も頑張ったら(選手として)できたのかなと思ったり」
未練はないと言えばウソになる。それでも又吉は自分が最大限にチームへ貢献できる道を選んだ。
又吉学生コーチ「何度もやめようと思ったがその中で一番心の支えになっていたのが知念キャプテンで、知念がキャプテンをやったからこそ今まで学生コーチをやってこられた」
知念主将「自分が見られていなくて又吉くんが見られているところを自分にこういう状況だからこういうまとめ方もいいんじゃない?というところで副キャプテンではないがそういう風に支えてもらっている」
キャプテンと学生コーチ。この2人の存在が沖縄工業最大の武器であるチーム力を高めてきた。
松田選手「知念主将だったり又吉学生コーチとか同じ中学のメンバーが優しく気遣ってくれたり、自分が辛いときにいつも声をかけてくれた存在で今まで野球が出来ている」
知名淳監督「知念と又吉のコンビが非常に良くて、2人でよく上手にやっているなと思う。シードには入ったが驕ることなく練習してきたので最高な準備をして最高な選手たちと最高な夏を送りたい」
グラウンドの中にいるか外にいるかは関係ない部員1人1人が、この夏、高みを目指すための大切な力となる!
又吉学生コーチ「しっかり親や顧問の先生たちに恩返しできるようにみんなでベストを出していきたい」
松田選手「もちろんてっぺん以外は取る気が無いので自分たちが甲子園に行く気持ちで頑張りたい 」
「てっぺん取るぞ!!」