「駑馬十駕」この四字熟語、皆さんは読めるだろうか…?
これは県立球陽高校野球部が中国の古典から引用したチームのスローガンだ
宮良安宏主将「『どばじゅうが』と読む。練習を日々積み重ねることで才能がある人たちにも肩を並べることが出来るという意味」
平凡な馬でも10倍頑張れば優れた馬に追いつく。その言葉が1日1時間半ほどの練習時間しかない球陽の心構えを表す。
宮良主将「練習時間が短い中で、どれだけ無駄な時間を省いて質の高い練習ができるかを心掛けて練習を行っている」
そのチームの力を垣間見せたのは沖縄市招待試合。去年夏の甲子園ベスト4・東京の日大三高を相手に、球陽の攻撃はメンバー誰もが気後れせずできること、やれることをやりきった。相手バッテリーのミスをも誘い、得点に絡めて行く。
この日は結果、日大三高の強打に水をあけられたが、球陽は3月の招待試合でも強豪・横浜高校に1点差と善戦した。
会社員の傍ら、外部監督として指導する新垣隆さん。高校時代に甲子園出場、社会人野球でも選手、コーチとして活躍した経験を凝縮して伝えている。
新垣隆監督「選手本人が『自分たちが野球をしたい』とすごく伝わってくる。とてもやりがいがある」
そこには、どんな強豪校にも負けない進学校に通う彼らならではの試合への思いがあった。
4番の内野手でピッチャーも務める安座間琢郎。春季大会の1回戦では延長15回3時間半の熱闘の中、後半6イニングを投げ、勝利をもたらした。
安座間琢郎選手「(練習を)やっている時間よりも試合の方がいつも長い。長い時間野球をできているので、試合が一番楽しいし、いっぱい野球がしたい」
野球に対する思いはチームをけん引するエースも同じだ。この夏も背番号1をつける山内佳祐。打たせて取るピッチングが持ち味の大黒柱も、仲間とともに勉強と野球の両立にこだわってきた
山内佳祐選手「チームのエースとしてマウンドに立つからには、仲間を信用して思い切り投げたい」
家に帰ってからやることは毎日変わらない。まずは野球の復習、しっかりバットを振る。
山内佳祐選手「このチーム、この仲間で、最後の夏の大会まで、野球が何か1つの自分の中でいい刺激になっていると感じる」
そのあと机に向かうエースは3年生の中で成績トップクラス。
山内佳祐選手「このまま野球を続けるのであれば(東京)六大学でやりたいなと考えていて。もう一つは自分はスポーツに関わる仕事がしたくて(選手をケアする)整形外科医」
夢を見据えて、まずは目前、高校最後の大会に力を尽くす。
山内佳祐選手「チームの目標としてはベスト8以上で。投手だったら9回を投げ切るであったり、打者だったらチャンスで点を稼げるような選手として、夏の大会はチームのために頑張りたい」
グラウンドの中で外で、努力を積み重ねた選手たち。野球への情熱を胸に、この夏を全力で駆け抜ける。
安座間琢郎選手「一つひとつ勝つことはこのチームは出来ると思うので、夏の大会までに仕上げたい」
宮良安宏主将「春は2回戦で負けてしまい、とても悔しい思いをしたので、夏の大会では優勝したい気持ちがとても大きいです」
『絶対勝つぞ!!』