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Qプラスリポートです。およそ643万トン、この数字は2016年度に国内でまだ食べられるにも関わらず捨てられた食品、いわゆる食品ロスの量です。深刻な社会問題となっている食品ロスを削減しようと、企業や団体の活動を追いました。

きょう那覇市で会見を開いた、コンビニエンスストア大手のローソン。あすから県内で始まる食品ロス削減に向けた取り組みを発表しました。

「食品ロス」とは、まだまだ食べられるにも関わらず捨てられてしまう食品のこと。一方で、世界には満足に食事をすることができない子どもも多くいて、今、世界的な問題となっています。

この「食品ロス」を解決しようとローソンでは、消費期限が近い商品を購入することで、商品の価格の5%が県内の社会福祉施設へ寄付されるほか、購入者にもポイントが付与されます。

ローソン竹増貞信 代表取締役社長「これだけ食品ロスが発生している一方で、まだまだおなかいっぱいだべられない子どもたちがたくさんいる。なんかちょっとおかしいですよね。こういうことの一因になっているのが僕らローソンなのかもしれない。こういう社会的なチャレンジをローソンでもやっていきたい。」

先月24日に国会では「食品ロス削減推進法案」が成立。企業や消費者に対し、食品ロスを削減する取り組みを求めています。「食品ロス」への対策。県内では、以前から取り組んでいる団体がありました。

運送会社に姿を現したのは奥平智子(おくひらさとこ)さん。企業などから無駄になっている食品の寄付を受け、福祉施設など食べ物を必要としている施設などに届ける活動を行う「フードバンクセカンドハーベスト沖縄」を2007年に立ち上げました。

奥平さん「無駄のない形で、実際に困っている方々に届けるという活動を知って、なんてスマートでわかりやすくて素敵な活動なんだと思って、このフードバンクの活動をやりたい、広めたいと思って始めました。」

この日は、県外から寄付で送られた食品を受け取りました。受け取った食品は那覇市内の事務所へ。12年前に始めたこの活動は今、企業だけではなく、個人からの寄付も増えています。

奥平さん「子どもの貧困が、何年か前に沖縄で社会問題になったときに、すごい増えたんですよ。今少し減ってはいるんですけど、それでもコンスタントには来てます。」

寄付が増える一方で、問題も抱えていました。

奥平さん「当初から、ほしい人より食品をいただける数のほうが圧倒的に足りなかったんですね。今はどっちも伸びてるんですけど、どっちも一緒に伸びてるので、当初から抱えている需要に対して供給が足りていないという状況はずっと続いていますね。」

子どもの貧困も大きな問題となっている沖縄。寄付を受けたいという施設などからの依頼も多く、需要と供給が追い付いていない現状もあります。

奥平さん「もったいない食品を生かしていくという意味で、そこにフードバンクがあるよと謳われたことは、企業からしてもこういう使い方でフードバンクを利用できるんだ、という意識づけが生まれてもらえると寄付は増えるんじゃないかと期待しています。」

今回可決された法律では、フードバンクに対する支援も盛り込まれ、今後フードバンクの活動にもっと目が向くことを期待しています。

ここからは取材した船越記者です。

金城キャスター:今回成立した食品ロス削減推進法案ですが、今後どういう効果が期待できるのでしょうか?

船越記者:実際この法律ができた効果というのは、今の段階では不透明といったところです。簡単にいうと、フードロスに向けたスローガンができただけで、具体的な中身はこれからというもので、法律が成立したからすぐに食品ロスの削減に効果が表れるというものではないんです。

船越記者:しかしVTRで紹介した奥平さんなど、「フードバンク」活動への支援が法律で決まったことで、「フードバンク」への関心の高まりに期待も持てます。

中村キャスター:今後フードバンクが食品ロス削減に、大きな役割を担いそうですね。

船越記者:しかし全国のフードバンクが扱っている食品の量は、廃棄処分される食品の1%も満たないそうです。日本での食品ロスの量はおよそ643万トン。これは、1人当たり毎日お茶碗一杯分の食品が棄てられている計算になるんです。

金城キャスター:それを考えると、私たち消費者や業者がまず食品が余らないように工夫し、その結果余ってしまのであれば、フードバンクに持っていくという考え方が大事なんですね。

船越記者:法律ができたことで、食品ロス削減について考えるきかっかけになることが大切です。