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難病を乗り越えてレスリングに打ち込む小学5年生がいます。負けず嫌いの男の子は今、日本一を目指す夢に向かって挑戦していました。

小さなレスリング選手たちが練習に励むてだこジュニアクラブ。子どもとは言え、大人に引けを取らない迫力や激しさがあるレスリング。この競技で将来性豊かな期待の星がいます。

小学5年生・砂川空也(すなかわ・こうや)君。先月行われた県大会で優勝。さらに大会の最優秀選手にも選ばれました!

砂川くん「(Q.トロフィーをもらった時はどんな気持ちでしたか?)取れるかなと思っていたら本当に取れたうれしかった。」

村田亮コーチ「県内ではトップクラスです。性格は優しいんですよ、大人しくて。試合がいったん始まると強い選手でスピードも速いですし、闘争心を見せて戦っていますね。」

砂川くん「一番の目標はまずは全国1位。去年(全国大会で)1回戦で負けたので全国は強いなと思ったので、もっと強くなって1位になりたいです。」

負けず嫌いだという砂川君は、去年の全国大会以降、「全国優勝No.1」ノートを書いています。そこには強い思いが記されていました。「試合でぜったい優勝する」

今は全国優勝を目指しマットの上で戦う日々。ただ砂川君はこれまで、より大きなものと闘ってきました。それは。

急性リンパ性白血病。3歳の時に診断され入院し、治療が始まりました。母・織江さんは、その病名に強い恐怖心を抱いたといいます。

母・織江さん「私の母親が同じ病気で亡くなっているので、想像できるのが、あの時の姿しかなかったんですけど。ショックが大きかったですね。」

抗がん剤などによるつらい治療。それでも当時撮った写真に映る砂川君はどれも「笑顔」でした。

母・織江さん「生きようとする力が、生きていたいという感じがいつもみなぎっていて、一生懸命笑顔を作って『空也頑張るからね』って言ってくれたのを覚えていますね。だから私も頑張らないとと思わされていた。」

懸命に前向きに治療と向き合い、白血病を乗り越えた砂川君。体力と体幹を鍛えようと始めたレスリングで強くたくましく成長し、今やトップレベルに。

村田亮コーチ「入ってきた時はどこまで続くかな、どこまでついていけるかなという心配ばかりしていた子どもでした。僕的には150%回復したなとみています。」

砂川くん「病気になったけどここまで成長できたということを知ってほしい。ここまでできるよということをみんなに教えたい。」

もう闘う相手は病気ではなく、目の前の相手選手。砂川君の姿は、病に苦しむ人たちに勇気を与えてくれるはずです。