今注目を浴びるスポーツ界の競技といえば、ゲームの仮想世界で戦いを演じるeスポーツです。ついにことし10月の茨城国体での種目としても開催されることになり、おととい、県代表を決める予選会が行われました!
去年11月にヨーロッパのモナコで開かれたeスポーツの国際大会、FIA(エフアイエー)グランツーリスモ・チャンピオンシップ 2018ワールドファイナル。
ゲームでありながら自動車レースを体感でき、リアルドライビングシミュレーターと呼ばれるこのタイトルで、世界の国や地域を代表した選手たちが、日頃鍛えた腕を競い合い、世界中に配信されました。
ちなみに「グランツーリスモ」で活躍した選手からは、現実の自動車レースのプロレーサーになった人もいます。
沖縄でもおととい、グランツーリスモSPORTの大会が開かれました。10月に行われる茨城国体文化プログラムでは初めて、都道府県代表が日本一を競うeスポーツの全国大会が行われます。
競技種目3タイトルのうちの1つとなっていて、沖縄での大会は国体県予選として開催。18歳以上の一般の部には10代から40代までの選手が参加。県代表2つのイスをかけた試合では10人が決勝レースに進出しました。
ハンドルでなくコントローラーで挑む謝敷宗一郎(じゃしき・そういちろう)選手。
謝敷宗一郎選手「県内でジムカーナ(実車のタイムレース)の競技会に出て遊んでいるが、とっても緊張していて何とか操作を誤らないように慎重に。」
その視線の先には予選1位通過の野原一真(のはら かずま)選手。決勝もトップを走りますが。
野原一真選手「きのう2時間走って、今日の朝ちょっと6時くらいに起きて走って、(タイムが)あれ出ないなぁと思いながら走っていた。」
不安や緊張とも戦いながらのレース後半。トップの野原選手が最短距離を行くため、コーナーを攻めます。しかしこれがコースを外れたと判断され、タイム1秒プラスのペナルティー。この1秒の間に後続の謝敷選手が先頭を奪いました。
そしてそのままゴールへ。謝敷選手、そして2位の野原選手が国体代表権を獲得です。
謝敷宗一郎選手「信じられない。恥をかかないよう頑張りたい。」
野原一真選手「いろいろな人にeスポーツが知られていくことはとても嬉しいこと。(国体本戦は)後ろのプレッシャーに負けないよう、前を見て走ろうと思う。」
大会では18歳未満の少年の部に、美東(びとう)中学校1年の稲嶺來希(いなみね らいき)選手が県代表となりました。そして同じ10月に開催される東京モーターショーのイベント大会として行われる「都道府県対抗U18全日本選手権」でも県代表権を獲得。
稲嶺來希選手「今日よりももっと上手になって、大会(国体・東京モーターショー)でいい成績を残せるようにしたい。」
実は、このゲームに先に熱中していたのはお父さんでした。
父・徹さん「私自身も(ゲームをして親に)怒られたりしている世代なので、逆に自主性を伸ばしたくて怒らないで自分でメリハリをつけて任せていた。」
母・郁美さん「お父さんが一緒に楽しんで、親子のコミュニケーションもたくさん取れているのを見て、学業も頑張りつつゲームも一緒に頑張って楽しんでいるので見守っている形。」
画面の中の仮想世界だったゲームが、可能性を広げるスポーツとして、新たな側面を見せています。