※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

先月お送りした、『西表島特集』の後編です。沖縄観光が好調な中、キャパシティを超える観光客の増加、オーバーツーリズムが今、問題になっています。大自然が残る西表島。島を守ろうと取り組む人々を取材しました。

西表島の豊かな自然と文化を明日に継承するために、あるプロジェクトが始まりました。

仲程さん「私たちが今できることは何だろう。Us 4 IRIOMOTEっていう。」

アスフォーイリオモテ。これは、アウトドアシューズブランド『KEEN(キーン)』が牽引する、西表島の豊かな自然と文化を明日に継承していくために、私たち一人ひとりが考え、行動していくプロジェクト。Usは「英語で私たち」、「日本語の明日」という意味があり、4(フォー)は、4つの活動テーマを意味します。

このプロジェクトの大きな活動の一つが、以前から島で活動している西表島エコツーリズム協会や、やまねこパトロールなどの団体を支援することです。

国指定特別天然記念物のイリオモテヤマネコは、絶滅危惧種に指定されています。やまねこパトロールでは、夜間の見回りや以外にも、島の小学生に向けたイリオモテヤマネコの学習などを行っています。

生徒たち「イリオモテヤマネコを守ることは大切だと思いました。イリオモテヤマネコがとっても貴重だとわかりました。」

このように、以前から島の人たちと共に助け合い、守る活動を行っている団体をアスフォーイリオモテは支援しています。

そして、アスフォーイリオモテが伝えたいことの一つ。それは、西表島を知ることです。この島には、私たちが知らなければならないことが、たくさんあります。

西表島には独自の伝統文化があり、それを継承する人たちがいます。石垣金星さん・昭子さん夫妻は、西表島の植物による伝統的な染織の復興に取り組んでいます。

金星さん「マングローブの皮を焚いている。」

島中に生い茂るヒルギの皮から抽出した色で染めるヒルギ染め。水や、牧など、すべての材料は島からとれたものを使います。

昭子さん「活かせるような文化があればということで、私たち特別に(ヒルギを)植えながら採る。そういう伝統を守りながら現在も活かしていくということを、子どもたちとか、こういったワークショップとかに使ってますね。」

島の歴史や島の人たちの想い、自然環境の現状を知ることが西表島を守ることにつながります。

仲程さん「(植物が)すべて巨大。(他とは)全然違う。」

西表島の自然に感銘を受ける仲程さん。アスフォーイリオモテの活動として、現在ドキュメンタリー映画を製作しています。

仲程さん「世界でこれを観る人たちは、こんな琉球の小さな島に、大自然の西表島があって、でもそんな問題を抱えている。解決するためにはどうすればいいか。その前にどんな問題があるのか。それを子供たちもちゃんとわかってほしい。ツーリストの皆さんの考えもある。それを一回、追っかけてみたい。」

監督自身が体験した自然・伝統文化を映画を通して、世界に届けます。

そして、目をそむけてはならないのが漂着ゴミ。これは、島の人たちだけでは解決できない大きな問題です。しかし、私たちにもできることがあります。それは、ゴミを増やさない工夫です。ゴミになるものをできるだけ持ち込まない、マイボトルやエコバッグ、ゴミが出たら持ち帰る。そんな当たり前のことが、リサイクル施設がない、この島にはより求められています。

仲程さん「少しでもいいから漂着ごみを僕たちで。手一杯ぐらいのゴミを持って帰って自分たちでそのゴミをアートにしよう。」

アスフォーイリオモテでは、島を訪れた人たちが「できる範囲で」少しずつゴミを持ち帰り、ひとつの容器に集めてアートを作る活動も行います。

仲程さん「ゴミはゴミじゃなくて、ホントは僕たちが残しているアートなんだよ、っていう。」

観光客にも、現状を知ってもらい、みんなで少しずつ良くしていく。これが狙いです。

このようなアスフォーイリオモテの活動は、クラウドファンディングや寄付、イリオモテヤマネコ柄をモチーフにしたシューズを販売することにより集められた基金で行われます。このように様々な活動を通して、豊かな自然と文化を明日に継承する。これがアスフォーイリオモテです。

仲程さん「皆さんが明日、あさっての為に共存していく、自然と。島は、全く変わらないし、(島を)変えていくのは人間だし。島と自然に生きている人たちもいることを、一緒に作っていきながら、そういう世界になればいいかなと。」