辺野古の新基地建設をめぐり国は4月5日県が行った埋め立て承認の撤回を取り消しました。
県は2018年8月、辺野古の埋め立て承認を撤回していました。この撤回を不服とした沖縄防衛局は対抗措置として「行政不服審査制度」を使って国土交通省に承認撤回を取り消すよう申し立てていました。
審査の中で県は、国の機関である沖縄防衛局が私人の権利を救済するための制度を活用することはできないなどと主張していました。
石井国土交通大臣「埋め立て承認撤回についての審査請求は一般私人であれ国の機関であれ」「国土交通大臣に対して行うものとされています」
石井大臣はこのように述べ、防衛局による審査請求の正当性を認めた上で県の撤回には「理由がない」として承認の撤回を取り消しました。
ここからは取材した石橋記者です。「承認撤回の取り消し」、突然の発表でしたね。県としては最後の切り札とまで言われていましたが取り消されたことで県はさらに苦境に立たされた形ですね。
記者「そうですね。承認撤回をめぐる動きですが…、まず、去年8月に県が埋め立て承認を撤回しました。これに対して国が行政不服審査制度を用いて国交省に「撤回の取り消し」を求めました。それに対して、きょう国交省が撤回の取り消しを認めたということなんです。辺野古で抗議を続ける人たちはきょうの決定に憤りをあらわにしています。」
抗議を続ける女性「毎日のように土砂が入れられて、つらい思いもしてるけど」「おかしなことにはおかしいって、私はいろんな仲間たちと一緒に声をあげ続けていきたいなって思います」
抗議を続ける男性「国が選んだ第三者なんか信用できないよと言っていたけど、その通りだなっていうのが、まず第一印象ですね」
国が国に申し立てていますよね…言い分を認めるというのは当然のような気がしますが…
記者「同じようなことが承認取り消しの時にもありました。「行政不服審査制度」というのは一般私人の権利を救済するための制度となっています。この制度を国の機関が使うことに公平性や中立性といった観点から有識者などから強い批判がありました。」
新基地建設を阻止したい県としてはどういった対抗策が残されているのでしょうか?
記者「県はきょうの決定について文書が届き次第対応を検討するとしていますが、最終的に司法による判断を仰ぐ形になることが見込まれています。今後、争点となるのは大浦湾側にある「軟弱地盤」です。国は地盤改良のための設計変更を県に申請しますが、玉城知事はこれに応じない方針です。あらゆる手段を取って新基地建設を阻止したい玉城知事ですが、有効な打開策がなく苦境が続いています。」