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シリーズ2009真夏の決戦。衆議院総選挙は中盤戦に入り、選挙ムードも盛り上がってきました。きょうからは各選挙区ごとの候補者の戦いぶりをお伝えします。きょうは注目の1区です。

那覇市と周辺離島を選挙区とする沖縄1区には、国民新党前職で民主党が推薦する下地幹郎さんが4期目を目指し立候補。これに対して共産党新人で社大党が推す外間久子さん、幸福実現党新人の平良成輝さん、それに自民党新人で公明党が推薦する国場幸之助さんが挑みます。

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下地幹郎候補(国民新党・前)「政権交代をおこなって、みなさんと一緒に子供たち、おじいちゃんやおばあちゃんのためにも、もう一回いい社会をつくろうじゃありませんか」

下地さんは、3期12年の実績を「即戦力」と表し、国会で統一会派を組む民主党の推薦を受け、那覇の社民票や革新票、無党派層に支持を訴えています。

外間久子候補(共産党・新)「建設的な野党として、いいものは一緒に進め、悪いものには反対していく。そのために新しい政権の下で積極的な提言もおこなっていきます」

外間さんは九州比例単独候補にまわった赤嶺政賢さんの後を受けての立候補です。共産党支持者をとりまとめ、従来の革新支持者へも訴えを広げています。

国場幸之助候補(自民党・新)「離島を含め、今のこの沖縄には希望が足りない。希望を持てるような社会をつくっていきたい」

国場さんは、若さをアピール。自公協力でこれまで公明党を支援してきた1区で、今回13年ぶりに自民党独自の候補者となり、経済界や無党派層への支持拡大を図っています。6年前の2003年11月の総選挙。1区、自民党は公明党の白保さんを支持し、自民党を離党して自公に挑んだ下地さんとの戦いでした。しかし組織を持たない下地さんは、自公の白保さんに5900票余りの差で敗れました。

ところが前回、2005年の総選挙、小泉旋風が吹き荒れた郵政選挙では、再び、白保さんと下地さんが激しく争いました。全国的には自民党の圧勝となった総選挙、しかし沖縄1区では、自公対反自公での戦いとなり、社民、社大、民主の支援を受けた下地さんが、白保さんに対して逆に4800票差をつけて返り咲き。公明党が選挙区で議席を失った瞬間でした。

今月、那覇市内で、公明党が1区に出馬する国場さんに推薦状を交付しました。前回まで自民党から選挙区の推薦状を受けていた公明党。今回は1区を自民党に明け渡し、九州比例区で自民党の協力を得るという形をとっています。

具志孝助・自民党県連会長「比例区の法定ポスター等ありますから、最低限の取り組みはやりますが、ここはきっちり比例は公明となっておりますから、各選挙区とも公明の応援をさせていただきます」

糸洲朝則・公明党県本部代表「比例と選挙区とのバーターというのが成功することが、今後の自公政権、あるいは選挙協力を磐石なものにしていく」

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県都1区、自民党は13年ぶりに独自候補を立て、国場さんで議席奪還を目指します。

国場幸之助候補(自民党・新)「政権交代とか政局論は1区においては通じない。沖縄県を守る。守る政治家が国場幸之助、私しかいないんです」

国場さんは自民党、公明党に加え、経済界の支援を受けて戦いを進めています。しかし、建設業協会をはじめ業界によっては、これまでの自公支持の方針を変え、自主投票となったことに危機感を持ち、仲井真知事をはじめ選挙事務所では、保守層や経済界のとりまとめに全力を挙げています。

一方、前職の下地さんは、出身地の宮古票や、郵政民営化に反対した郵便局長会や郵政職員労組、連合沖縄の推薦を受け、民主党の追い風を利用して企業や保守票の取り込みにも力を入れています。

下地幹郎候補(国民新党・前)「政権が代わる。この政権が代わる時に(沖縄の)位置づけを決めさせましょう。位置づけさせたら間違いなく未来に沖縄は続く」

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しかし、下地さんにとっての懸念材料は、前回の選挙で反自公の立場で下地さんを支援した社大党が、今回は共産党の外間さんを推薦していることです。その分、下地さんは無党派層の取り込みに全力を挙げています。

外間久子候補(共産党・新)「今、自民党、公明党がこのように弱いものを切り捨てていく。弱者切り捨ての政治は絶対に許すわけにはいかない」

外間さんは唯一の革新候補をアピール。社大党票や革新票の掘り起こしに全力を上げ、九州比例とセット戦術で運動を広げています。

下地さんのキャッチフレーズは「政権交代」、国場さんは「選手交代」、外間さんは「自公政権退場」。有権者は、どの候補者の政策を支持し、投票するのか。30日には有権者の審判が下されます。