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シリーズ真夏の決戦です。きのうに続き、今日もマニフェストについて考えます。今回の選挙は、生活に直結する課題に候補者や政党がどう取り組むかを見極める選挙といわれています。まずは今の暮らしの課題を街で聞きました。この声に、それぞれの政党はどのような政策をもって取り組むのでしょうか。

市民「子育てしやすいように制度などがあればなと思います」市民「今の時代はお金かかる、給料も安いしやっていけない。子育てが大変」市民「子どもが沢山いるんで共働きしてるけど(支援が)あったらだいぶ助かるっていうのが本音です」

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高まる生活への不満。今回の衆院選では暮らしに直結する課題に各党がどう取り組むかという政策に注目が集まっています。特に今回はそれぞれ、子ども手当や教育費の負担軽減など、子育て世代向けに支援の拡充を提示していて、子育て支援があらたな争点ともなっています。

沖縄大学加藤教授「一人一人が生きていく、それを保障するというのが国や社会の役割なんですけどこの4年間はその生きていく力をある意味保障しない方向に来ちゃったと思う。それが余裕のあるうちは何とか頑張れたんですけど、本当に余裕のないところまで今回、来たんです」

ことし発表された国民生活基礎調査では、不況などで30-40代の働き手の賃金が減少していることを受け子育て世帯の所得が大幅に減少したと発表。生活が苦しい、と答えた子育て世帯は62.1パーセントと高齢者世帯、全世帯に比べても上回っています。

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加藤教授「今までのやり方を変えてほしいという要望が皆さんにあると思う。子育て支援も切り捨てられ奨学金も厳しい状況、だからそういう意味で国民の声が政治をある意味で突き動かしていると」

その切実な子育て世帯へアピールしようと、各政党とも具体的な支援策を打ち出しています。自民党は就学前3年間の幼児教育無償化、奨学金創設。公明党は児童手当を中学3年まで拡大し、高校の授業料を減免。民主党は中学卒業まで月26000円を支給、公立高校授業料無償化。社民党は保育料を無料化、18歳までの子どもに月一万円の支給。共産党は高校授業料無償化、返済不要の奨学金創設。国民新党、高校教育の無償化に、仕送り減税の創設。幸福実現党は出産3人以上の女性への手当、外国人ベビーシッター導入など。

多くの子育て支援策は、当事者にどう受け止められているのでしょうか。那覇市内の出版社につとめる、喜納えりかさん。去年9月に長女を出産、自身の出産や子育てを通して「県内の欲しい情報を集めた」という出産・育児の情報本も出版するなど、仕事や育児に家事と、忙しい毎日です。

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喜納さん「マニフェストということでテレビや新聞で取り上げられ注目されるのは良いことだと思います、やはり選ぶ機会、選択肢が増えてきたんでいいことだと」

仕事がら、過去の選挙でも情報を収集し、マニフェストを見てきたという喜納さんですが、今回の選挙ではやはり子育て支援策が気になります。

喜納さん「これだけ見たら、何かいいこと書いてるじゃないですか。でもこれだけ実現するのって具体的にどういう風に動いてどれだけの手間かけてやるんだろうって」「制度として”お金をあげます”だけじゃなくてそれぞれの子育てに対する意識を変えようという取り組みも増えたらいいなと思いました」

子育ては長くかかるもの。喜納さんをはじめ、働くお母さんが多い現状では仕事と育児を両立させる制度作り、その後成長して教育費が増えてきたらそのサポートなど、直接的・間接的な支援策が求められてきます。細かな支援策を取れる政権を見極められるかまた、選んだ政権がその後ちゃんと約束を果たせるかという厳しい目をもつことも、有権者に求められています。

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喜納さん「それを国民に対して約束したわけですからそれを守ることまで含めてのマニフェストであって欲しい」「自分の生活に関わることですし、自分が生きていく世界の話でどこか他国の話でもない。自分の住む地域の話になるんで自分で情報を集めたり判断したりというのはすごく大事だと思います」

政党の考え方や問題への取り組み方を知る上で重要なマニフェスト。しかしそれは口約束であってはならないし確実なものでなければ、私たちの暮らしは変わりません。自分の考えに近いのはどの党か?そして約束を守っているか。私たちも厳しくチェックする必要がありそうです。