辺野古の新基地建設、国は総面積の全体4分の1の埋め立てに着手しました。ここにきて、埋め立て土砂を運び出す拠点が増えるのではという懸念が出てきています。
去年12月に始まった辺野古の埋め立て。先月下旬、国は2カ所目にも着手。辺野古側のほぼ全域、およそ40ヘクタールの埋め立てが進められています。その土砂はというと…
東海岸の辺野古とは反対側、西海岸側にある山から採取されています。土砂の搬出には、琉球セメントが管理する安和の桟橋が使われていますが、ここにきて、搬出の拠点が増える可能性が出てきています。
それは安和の桟橋から直線距離でおよそ3キロ採石場近くの「本部港」です。
埋め立て土砂を搬出するため、国は去年、本部港の使用許可を求めていました。しかし…
久田記者「辺野古に向け、土砂を搬出する予定だった港は台、風の影響で大きく損壊しているところがあります」
港は去年9月から10月にかけて相次いだ台風で被災、岸壁の半数が損壊したことで使用が制限されていました。
「港の方が今利用できない状況にあります」
土砂投入を1カ月後に控えた去年11月には、辺野古の土砂を搬出する業者たちが使用許可申請の受け付けや早期の復旧を求めていました。ところが、損壊の本格的な復旧を理由に県は応じませんでした。
港の損壊からおよそ半年、復旧工事が完了。これを受け、きのうから辺野古に土砂を運ぶ業者も港を使えるようになりました。すぐにでも港を使うのか?国は…
『事業者が港の使用許可を得たことを承知している。港の使用について、今後の見通しは答えられない』
琉球セメントの安和桟橋と並行して本部港も使われるようになれば、辺野古の埋め立てが加速するとの懸念がでています。
国は使うのかどうか明言を避けた感じですね。
石橋記者「まず、本部港と安和の桟橋、そして辺野古の位置関係ですが、2つの港は本島の西側、辺野古は東側にあります。土砂を運ぶ船は港から北上しながら辺野古がある東側に回り込むというルートになっています。使用許可を得た本部港についてですが、国が『使わない』のであれば、許可を得る必要はないと言えます。つまり、今すぐで使うということではなくても、何かあった時のために使えるようにしておきたいということだと考えられます」
申請を審査する側としても、許可しないという方法もあったのではないでしょうか?
石橋記者「港の使用許可については『辺野古に土砂を運ぶから』許可しないといった、不平等な取り扱いができないように定められています。手続き上の不備がない限り、県や本部町としては不許可にするのは難しいというこです」
政治的な部分と行政の手続きでは一緒にできないということなんですね。
石橋記者「ただ、県は土砂の性質について疑問があるとして、立ち入り検査とサンプルを採取させるよう国に求めています。果たして、県の疑問を解消することがないまま埋め立てを続けることが許されるのか?国には丁寧な説明が求められています」