宜野湾市の市民が求めたのは、アメリカ軍機の事故から市民を守るための条例でした。「平和な空」にしてほしい。そんな市民の声に議会はどう応えたのでしょうか?
上地安之議長「本件を採択することに賛成の議員の起立を求めます」
宜野湾市民が求めた「平和な空を守る条例」。
上地安之議長「起立少数であります。よって本件は不採択とすることに決定いたしました」
賛成する議員が過半数に届かず、条例制定の願いはかないませんでした。
多和田真隆共同代表「大変残念に思います」
「平和な空を守る条例」は小学校や保育園にアメリカ軍機の窓や部品が落下した事故が相次いだことをきっかけに、住民の安全を守ろうと立ち上がった市民団体が実現に向け活動を始たものです。
20人ほどメンバーで2カ月かけて9000人分近くの署名を集め、条例の制定を市議会に求めていました。実現するのかどうか…採決の直前まで議会は紛糾。
桃原功議員「条例で縛るべきなんです。約束を守らない米軍機に対しては今、日本の航空法を守っていますか、守られていません」
平安座武志市議「国防や外交といった地方公共団体の事務に属さない事項は本市の条例にはそぐわない」
知名康司市議「抗議・要請を行うのは政治的行為であることから市長・市議会の判断で行うべきであって、条例で縛っていいのか」
反対する側は、条例によって市長や市議会の行動が決められてしまうと主張。賛成する側は市民の生命や財産を守るために必要だと主張しています。
「不採択」という結果に市民からは不満の声があがりました。
傍聴者「市民を守るなんて発想はまったくない人たちなんだなって、それが率直な感想です。市民から出ているわけですよね。市民の声なわけですよ。それを議会が否定することは、あり得ないって思う」
傍聴者「政治は生活。市民の生活を守るために議員は動くべきであって、何を考えているのか。許せないことがきょう起こりました。納得できません」
市民団体では、再び条例制定を目指し、署名を集めなおすなど今後も活動を続ける方針です。