Qプラスリポートです。先週、うるま市の県警察学校では卒業式が行われました。42人が新たな門出を迎えたということですが、その中に特別な思いを持った卒業生がいました。
午前5時半。あたりがまだ真っ暗なこの時間に訪れたのはうるま市の県警察学校。
やわらかい物腰で迎えてくれたのは山内隆作さん。現在29歳。卒業を2日後に控えた警察官の卵です。同期生のほとんどは10代後半から20代前半という中、山内さんは29歳で採用試験を受験できる制限年齢ギリギリでの合格でした。
彼がどうしても警察官になりたいと思ったのには、大きな転機がありました。27歳のとき、追突事故を起こしてしまったのです。
山内さん「警察官になることで、交通の取り締まりであったり、指導、そういうことで事故を減らしていけるんじゃないかと思った」
山内さんの同期生は42人。そのうち最年長の山内さんは、「総代」としてまとめ役を務めています。
今でこそ、リーダーシップを発揮する山内さんですが、最初は年下の同期とコミュニケーションに悩むことも多々あったといいます。
山内さん「共有しなければいけないこともできなくて。それで何回も私は教官に呼ばれて注意、お叱りを受けて、それがたびたび続いたんですね」
安里教官「言うべきことはしっかり言ってもらって、私がそろそろ指摘しないといかんなというときには、隆作が指摘して、いろいろまとめてもらっている」
この日のホームルーム。山内さんからは苦楽を共にした仲間への胸に秘めていた思いがあふれ出ました。
山内さん「半年過ぎたあたりぐらいから、みんなから助けてもらったというのが多くて、みんなのおかげで強くなれたし、10カ月間乗り越えることができたと思います。」
沖縄県警察・筒井洋樹本部長「皆さんにとってこれからが本当の意味での警察官としてのスタートです。」
山内さん「数々の研修等を通じて得た同期の深い絆は、これからの警察人生で大きな糧になると思います」
卒業式の後は、教官や在校生たちによる壮行会。この場でも。
山内さん「安里教官は、私たち学生に対する思いが本当に強く、私たち一人ひとりその思いを感じていました。怒られてばかりでしたが、10カ月経ったいまでは、自信を持って飛び立つことができると思います。本当に10カ月間ありがとうございました。」
安里教官「いろいろ考えたけど、言いたいことはいつも言ってるから、改めて言うことはありません。元気出して、やる気出して、頑張ってこい。そしたら大丈夫。そして5月(補修)に元気よく帰ってきてください。以上」
卒業の感動に浸る間もなく、配属先の石川警察署に到着。警察官としての第1歩をスタートさせます。
山内さん「一生懸命何事にも取り組んでいきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。」