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辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票。県議会では、全県実施に向け選択肢を3つにする条例改正案が審議されました。

午前10時から始まった県議会の臨時会。玉城知事が、全県実施の条件として、与野党ですでに合意した選択肢を「賛成」「反対」の2択から「どちらでもない」を加えた3択にする条例改正案を提案しました。

県民投票3択案可決 全会一致ならず

しかしこの後、本会議の採決に先立って開かれた特別委員会では、自民党内の不満が伺える発言もありました。自民党県連の照屋守之会長は「私から言わせたら、県知事がもっと3択について先頭に立って、我々の自民党にも来て、与党の方々にも全会派をまわるという、そういう立場じゃないですか?」と話しました。さらに自民党は、今の3択以外に「やむを得ず容認」という選択肢も必要で「どちらでもない」では簡単に片づけられないなどと選択肢の中身を蒸し返す場面もありました。

結局、散々揉めた末、委員会採決で自民党は退席。先行きが見えないままで始まった本会議での採決では結局、自民党から末松議員など2人が退席。そして、又吉議員など5人が反対を表明する中、何とか賛成多数で3択で実施する県民投票条例案が可決されました。

県民投票3択案可決 全会一致ならず

ここからは石橋記者と一緒にお伝えします。石橋さん、全県実施に向けては、選択肢を3つに増やすということで落ち着いたんですが、すんなりとはいかなかったようですね。

石橋記者「やはり『自民党』がカギを握っていました」

島袋大県議「臨時総会!」

自民党では、採決の直前まで、もめていました。というのも、先週開かれた県議会の代表者会議で三択にすることで合意はしましたが、依然として一部の議員に反発がくすぶっていたのです。

特別委員会での照屋県議の言動を見ると、党内での説得に手こずっている様子が伺えました。

自民党県連・照屋守之会長「賛成ではないけれど、やむを得ないというのも(『どちらでもない』に)ここに来るんじゃないか。よくわからないという方もここにくるんじゃないかと。『関心がない』というのもありますね。3つの選択肢ですから『関心がない』も『どちらでもない』になりますから、この3つの選択肢の中で『どちらでもない』と投じる方が意外と多いと思いますがどう考えていますか?」

池田竹州・知事公室長「それぞれの判断について、私の方から見解を申し上げるのは差し控えたい」

自民党県連・照屋守之会長「いずれにしても県民投票をする意義、そのものが3つの選択肢にすることによって薄まっているような気がしますよね。反対の人は、反対ですからね」

石橋記者「照屋代表の発言を聞いていると『どちらでもない』という選択肢の扱いが非常に難しいという印象を受けます」

仮に「どちらでもない」が多くなったとき、結果として、これを賛成ととらえるべきか、反対ととらえるべきか困るかもしれません。

石橋記者「そうなんです。それも玉城知事には悩みの種になりそうです。市長5人の声を取材することができました」​

うるま市・島袋市長「議会というのは結果が全てですから、そういった意味で可決をみる、合意を見るということがあればね、それで結論は県民主体の結論ということになるんじゃないですかね」「(Q:退席や反対が出ても事務執行することには影響はない?)それは当然です」

宜野湾市・松川市長「本会議でどういった形になるか、退席でも全会一致という形であれば全会一致で。(Q:それでいいんですか)それは議会の一つの選択肢、手法なんでね、それは全会一致それはいいと思います」

沖縄市・桑江市長「まだやっぱりこの三択の中の中身の具合、普天間基地の移設に関しては触れられていないということに大きな不満があるということでしょう。それは理解できます。ただうちらは粛々と、県議会の可決によって、沖縄市議会は開催をして、臨時議会を開催するという運びになります」「私は三択になったので、参加する方向で作業します」

石垣市・中山市長「県議会で議決がされて三択になった場合は条件がかわりますので、変わった条件については市議会の方にはからなければならないと思います。(Q:市議会でOKが出れば当然参加する?)そうです」

宮古島市・下地市長「(Q退席者が出た場合は?)それはー全会一致でしょ、意思決定に加らないことですから。全会一致と言うのは、議会に参加している人たちがどうするかとなると思いますから、別に変らないと思います」​

これでスタートラインに立ったと言えますね。

石橋記者「確かにその通りです。しかし、これからが本番です。県民投票は法的な拘束力がありません。『反対』が多数となった場合も、玉城県政が着々と進められている辺野古の工事をどうやって止めることに繋げるのか。本筋の議論はこれからと言えそうです。いずれにしても24日は県民投票。今後も注目していきたいです」

自民党県連 照屋会長辞任表明

ところで、今回の採決の際、議員の態度が割れた自民党では、まとめ役だった県連会長の照屋守之県議が、この結果を受け、県連会長の辞任を表明。辞表も提出したということです。

ただ、自民党の島袋幹事長は会見で「確認できていない」と述べました。

玉城知事が会見

県議会での県民投票条例の改正可決を受けて、先ほど、玉城知事が会見しました。

玉城知事は「全会一致で議決いただけなかったことは残念ではありますが、自民党を含めて全ての会派の議員から賛意が示され、賛成多数で可決されたことは大変意義深いことだと考えております。県民の皆様におかれましては、積極的に投票に参加して、ご自身の意思をしていただきたいと思います」話していました。