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分断の県民投票

辺野古埋め立ての是非を問う県民投票。しかし5つの市が不参加を表明するなど入り口からつまづいている状況です。

様々な場面で対立や分断も見える様子は国と県の代理戦争とも指摘されます。自民党県連の照屋守之会長は「私どもはその時点で、この二択の県民投票には反対」だと話しました。

また宮崎政久衆院議員は「一回否決して、知事にもう一回考え直してくれっていうくらいしか方法はないですよ」と話しました。

県民投票に関する予算案否決を指南したのではとの疑惑を否定するために、宮崎政久衆議院議員と自民党県連が開いた16日の会見。県民投票まで1か月余りとなる中、スムーズには投票日を迎えられない難しさが改めて浮き彫りになりました。

すでに県内では、宮古島市や宜野湾市、沖縄市など、5つの市が県民投票不参加を表明。このままいくと有権者全体の約31%にものぼる、37万人が意思を示せないことになります。

分断の県民投票

17日、石垣市では市民らが県民投票を実施するよう訴えました。

石垣市民は「石垣市民一人一人の意思を、県民投票により示す機会を確保するよう強く要求する」と述べました。

こうした中、県民投票を呼びかけきた「辺野古」県民投票の会と県との間にも、ひずみが生じています。

あくまでも、すべての市町村での実施を目指す会のメンバーと、たとえ5市が参加しなくても、予定通り県民投票を実施する方針を示している県との間の溝は、埋まる目途が立っていません。

元山代表は、「県民投票を拒否してる5市長に、少しでも早く県民投票に参加する。みんなで県民投票やろうという事を言って欲しいんですけれど。やっぱり体力的にもきつくなってきているなと思います」と話しました。

分断の県民投票

県民投票をめぐり、県民同志が分断すら余儀なくされている現状について、地方自治などに詳しい専門家は次のように話しています。

早稲田大学の江上能義名誉教授は「それは、やっぱり国の思う壺でしょう。国は辺野古基地促進、県が反対という構造が、県民投票そのものを阻止する方向に向かっているのがおかしいと思うんですよね。国と県の代理戦争が、県民投票への攻撃に向かっている、潰す方向に向かっているというのが私は筋違いだと思うんです。県民投票、住民投票は完璧な勝利とか完璧な形での実行はないと思うんですね。それをめぐって住民の人たちが色々な思いと思考・努力、その積み重ねによって作り上げていくものだろうと思います」と話しました。