ハワイに住む県系人が、ホワイトハウスへ求めた辺野古の埋め立て中止。11日目で、10万を超える署名が集まりました。企画した男性の思いは?
8日、アメリカ・ホワイトハウスのインターネットサイトで呼びかけられたある願い、それは…。
ハワイ在住で、県系4世のロバート・カジワラさん。トランプ大統領に対し、県民投票が行われるまでは辺野古の埋め立て工事を止めるよう、ホワイトハウスの請願サイトで、訴えることを企画しました。
ロバート・カジワラさんは、「日本政府は、沖縄県がやっていること、言っていることを何も取り合っていません。少しも民主主義国ではありません」と指摘しています。
請願サイトは、アメリカ合衆国憲法で定められた、請願の権利を保障するため、オバマ大統領時代につくられました。13歳以上の人なら誰でも署名に参加することができます。30日間で10万人以上の電子署名を集めると、ホワイトハウスが60日以内に何らかの返答をすることになっています。
それが18日午後、開始からわずか11日目で10万人を達成しました。ロバート・カジワラさんは「私たちが、わずか10日間で10万筆の署名を達成したという事実は、沖縄のためにどれだけのサポートがあったかということや、どれだけ多くの人が辺野古に軍事基地は要らないと思っているかということを示しています。でもこれは終わりじゃなくて始まりです。これは第1章にしかすぎません」と話していました。
カジワラさんは、幼いころから沖縄の文化について教わってきました。「辺野古についても、とても関心があり、沖縄にいるときはよく抗議活動に参加するため辺野古へ行きます。特に年配の方で、沖縄を守るために多くの犠牲を払い、長い間反対運動をしてきた人を心から尊敬しています。だから私は沖縄の人を手助けするためにこの請願活動を始めました」と話しました。
同時にカジワラさんは、ほとんどのアメリカ人が、沖縄の存在すら知らなかったことをあげ、アメリカ人に対して、この問題を訴えていく必要があると話しました。署名は現在も続々と寄せられています。
中村アナウンサー「ここからは、比嘉記者とお伝えします。埋め立てが始まりましたが、署名にはどんな意義があるのでしょうか?」
比嘉記者「まずこちらをご覧ください。大浦湾に突き出す逆三角形、こちらが辺野古崎です。この画像に図面を載せますと、このようになっています」
中村アナウンサー「巨大ですねー」
比嘉記者「はい、V字型になっていますが、1800メートルの滑走路が2本、軍港機能も備えていることが記されています。埋め立て面積はおよそ160ヘクタール、2100万立方メートルもの土砂が使われることになっているんです」
中村アナウンサー「その埋め立てが14日から始まったということなんですね」
比嘉記者「はい。ですが、改めてこちらをご覧ください。埋め立てが始まったのは、黄色い部分。全体から見てみると、まだ、本当にごく一部なんです。埋め立てが始まったこと辺野古新基地建設は「もう後戻りできない」局面を迎えたような雰囲気になっていますが、この巨大な予定地のほんの一部です」
中村アナウンサー「なるほど。カジワラさんたちが始めた署名もこれからどれだけ集まるかわかりませんよね。アメリカ政府がどのように対応するかも気になりますし、まだ諦めてはいけないということでしょうか?」
比嘉記者「はい。カジワラさんは、民主主義を取り戻すまで絶対に諦めないと語っています。こんな局面だからこそ、世界中の人たちが手をとりあって意思を示していくことが必要だと思います」