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翁長知事の死去に伴い、当初11月に予定されていた知事選は、9月30日に前倒しされます。これを受け、与野党、一騎打ちの様相となっています。

野党は8月19日、名乗りを上げていた安里繁信さんが出馬を断念。元宜野湾市長の佐喜眞淳さんで一本化しました。

これに対して、ここまで一歩出遅れていた感のある与党側は8月17日の候補者選定の会議で金秀グループの呉屋守將会長や謝花喜一郎副知事ら5人の名前をあげこの中から候補者を絞り込むという流れでした。

ところが、18日、事態が急変します。翁長知事が生前に残していたとされる、後継者にふさわしい人物を語った音声データがあることが親族の側から新里議長に示されたのです。

知事選、動き加速与野党一騎打ちへ

あがった名前は2人。呉屋会長と衆議院議員の玉城デニーさんでした。そこで調整会議は19日、2人に意向を打診。

呉屋会長は玉城さんを支援する立場を示し、玉城さんは「重く受け止める」として、急転直下、玉城さんでの一本化が確実になりました。

スタジオには取材にあたっている金城記者です。金城さん、与党側の後継者選び、まさに急転直下だったんですね。

金城記者「はい。驚いたのは、当の玉城デニーさんでしょう。先週金曜日の調整会議でも玉城さんの名前は人選対象の5人の中にも入っていませんでしたから」

そうだったんですか。それが大きく動いたのは翁長知事の音声データが出てきたということなんですね。でもなぜ、このタイミングだったんでしょうか?

金城記者「はい、土曜日の昼前に、この件が明らかになりました。私は、すぐに翁長知事の後援会長に伺いました。すると後援会長は「音声の件は知らないが、知事を見舞いに行くたび、知事は政治の話は一切せず、いつもデニーさんのことを高く評価する話しをしていた」と。だとすると、翁長知事は、いつか玉城さんを自身の後継として託そうと考えていた。それで、新里議長に関係者が音声データを手渡し、人選作業に影響を与えのではないかとみています」

きのう、調整会議の代表が呉屋会長と、玉城さんに意向を確認していますね?

金城記者「調整会議の照屋大河議長の話をお聞きください」

知事選、動き加速与野党一騎打ちへ

照屋大河・調整会議議長「呉屋さんからはデニーさんへの強い期待を示されて、そしてぜひ説得に当たってくれということを伝えられました。そして、決まれば一緒になってやっていくということも伝えてほしいということがありました」

金城記者「また、当初、人選に上がっていた謝花副知事はきょう、次のように述べています」

知事選、動き加速与野党一騎打ちへ

謝花喜一郎副知事「いい形でまとまったんじゃないでしょうかね。やはり知名度もありますし。また金秀の呉屋会長がそれを支えるという形であれば、オール沖縄にとっても引き返せないでしょうから、本当にいい形でまとまればと思っています」

玉城さんは今夜、後援会に報告し、環境が整えば、旧盆前までには、調整会議の要請に応える方針です。

一方、先行する野党は、安里さんがきのう出馬を取り下げ佐喜眞さんでの一本化に動きました。きょうは、佐喜眞さんと公明党県本部が政策協定を結びました。

金城記者「はい、これがその政策協定書です。ところが、選挙の最大の争点となる辺野古問題に関する記述はありません。公明党県本は2月の名護市長選でも自民党候補者と協定を結びましたが、その中でも辺野古は一言も触れていませんでした」

知事選、動き加速与野党一騎打ちへ

金城記者「県内移設反対を掲げながら、辺野古に触れない矛盾を県知事選でも繰り返すということでしょうか。選挙まで、もう40日ほどしかありません。これまでにない激しい選挙戦になることは、間違いありません」

知事選は、これで与野党の一騎打ちという構図が見えてきました。ここまで金城記者でした。