記者「午前8時過ぎです。自衛隊機で与那国入りした浜田防衛大臣がたった今、町役場に到着しました。」
先月、与那国町の外間町長に陸上自衛隊の配備を東京で直接要請されたことを受けて島を視察に訪れた浜田防衛大臣。外間町長は、外国船の動きなどを監視するレーダー施設を島に完成させ、100人規模の隊員が住む駐屯地を作ってほしいと大臣に要請しました。
浜田靖一防衛大臣「我々が自衛隊配備計画を前に進めるのかもっと時間をかけて考えるのかも含めて今後検討する」
外間町長はなぜ、自衛隊を誘致したいのかー
外間町長「人口の減少を食い止め、インフラを整備して結果的に税収のアップにつなげる」
町長の指摘の通り与那国町の人口はこの10年間で1割以上減っています。また去年8月には、気象を観測する測候所も閉鎖し公務員8人も島を去るなど、島の外からの収入が減っていることも事実です。
しかし、なぜ自衛隊なのか?来月2日の町長選に立候補し、外間町長と一騎打ちの戦いになると見られている小嶺町議は市町村合併に参加しないで、自立の道を歩むと決めた与那国町が自衛隊を誘致するのはおかしいと指摘します。
小嶺町議「近隣諸国との友好的な関係は当然必要だと思う。」「これを国防上の問題だとか安全のことを考えて自衛隊を配備してくれというのは逆行すると思う」「(外国に)警告するのは海の警察である海上保安庁のはずでなぜ自衛隊がいきなり島に飛び込んでくるのか疑問。」
町民の意見も大きく割れています。
町民「島には産業が無いので、お金が落ちない。自衛隊が来たらかなりのお金が落ちると思うので賛成。」町民「自衛隊があれば問題は起こるでしょう。軍というイメージが強い」
本島のような地上戦はなかったものの64年前の沖縄戦を知るお年寄りはー「島を守るために自衛隊はいるんでしょ、でも自衛隊がいるからこそ、戦争がはじまったらすぐに戦闘状態になるのでは?」「自衛隊がいたら戦争がもっと激しくなるのではないか?」
小嶺町議はけさ、浜田大臣と外間町長の面談の席に半ば乱入する形で島には反対の声も大きいと直接伝えました。その後、台湾に最も近い西崎を訪れ港の状況を確認した大臣。空港では自衛隊誘致の賛成派と反対派のそれぞれの怒号が飛び交う中大臣はおよそ1時間半の視察を終えて島を後にしました。
外間町長「自衛隊配備に反対する人達がいるのは分かっているが、そういう人たちとも話をして自衛隊誘致の環境が整うように努力したい」
外間町長は、自衛隊の誘致について今後、住民投票の実施も検討していて、来月2日に投開票が行われる町長選でも最大の争点となりそうです。