夏の高校野球沖縄大会は、ベスト16をかけた熱戦が展開されました。その中には、天国のお父さんへの思いを胸に夏に挑む選手の姿がありました。
夏の2勝目を目指す与勝。キャプテンの吉浜稜人君は、この夏ある思いを胸に戦っていました。
与勝吉浜稜人主将「自分にとっては野球の先輩で憧れていた人です」
スタンドで応援する吉浜君の母・美枝子さん。その胸に大事に抱えられていたのは去年、病気のため亡くなった父・斉(ひとし)さんの写真。
小さい頃から野球をしていた吉浜君。そのそばにはいつもお父さんがいました。
与勝吉浜稜人主将「小学校の頃にお父さんがコーチをやっていてそこで一緒にやっていました。高校野球最後の自分の姿を見てもらいたいなと自分の成長したところを見てもらいたいと思っています」
天国からきっとお父さんは見てくれている。
しかし、試合は序盤から苦しい展開に。第3シードのコザを破り、勢いに乗る中部商業に主導権を握られます。
2点を追いかける6回、ランナーを1人置いて、吉浜君に打席が回ってきます。
与勝吉浜稜人主将「天国でお父さんが見ていたのでお父さんが打たせてくれたかなと思います」
1点差に詰め寄った与勝。しかし、再び突き放されます。もっとお父さんにプレーしている姿を。吉浜君、9回の打席へ。
与勝吉浜稜人主将「(お父さんから)よく楽しんでやれとか、最後までしっかりやりなさいというのを言われていました」
まだ諦めない。フォアボールを選び、思いをつなげます。すると続く4番・名嘉村紫陽。
全力を出し切った夏。その姿はきっとお父さんに届きました。
母・美枝子さん「本当は実際に見てもらいたかったのが一番ですけどでも、お父さんはきっとそばで応援していたと思います」
与勝吉浜稜人主将「負けたけど楽しんでできたよと言います。良い場面で打たせてくれてありがとうと言いたいです」