古豪復活へ手応えあり
夏の甲子園2年連続準優勝。沖縄の高校野球を全国の強豪へと押し上げた沖水。今、古豪復活への足音が聞こえています。
今月12日、運命の組み合わせ抽選会。会場がある瞬間、ざわついた。沖縄水産が引いたのは第4シード・沖縄尚学の隣。今大会屈指の対戦が実現した!
當山恭右選手「沖尚だからって、やることは変わらないと思うので」
知念龍星主将「立ち向かうだけです」
その強気な姿勢は決して強がりではない!先月、沖縄水産のグラウンドに新球場が完成。両翼100メートル、外野に芝が敷かれた専用球場だ。完成初日、始球式でマウンドに上がったのは甲子園準優勝投手・大野倫さん。
大野倫さん「ちょっと鳥肌立ちましたね。栽先生がどっかから睨んでいるんじゃないかと思いながら、そういった昔も思い出しながら。ぜひ後輩たちに、このグラウンドでたくさん汗を流してもらって、甲子園目指して頑張ってほしいと思います」
さらに大野さんと同じ準優勝時のメンバー3人が現在、コーチとして指導にあたり、黄金時代のイズムを後輩たちに伝えている。100回の夏を前に、名門復活への準備が整った!
上原忠監督「良い状態にあります。優勝できておかしくない力があると思っています」
自信を持つ上原忠監督の戦力評価はオール4。
投手陣は2年生の3本柱で勝負。この夏エースナンバーを背負うのはMAX140キロを超える右腕・國吉吹。春はケガで投げられなかった左のエース・上原一帆も復活。外野も守る真栄城徳二郎もいつでも投げられる状態にある。
打撃では上原大那、平安常人の2年生コンビが1番・2番でチャンスメイク。4番には春にホームランを放っている3年生の主砲・當山恭右が座る。その前後を威勢の良い2年生バッターが固める打順となりそうだ。
投打に渡り、2年生が多く活躍する今年のチーム。最後の夏、レギュラーに入れない3年生も多い。背番号10の知念龍星もその1人。チームのことを第一に考え行動しているキャプテンだ。
知念主将「甲子園に行くためには日頃から意識高めてやっていかないといけないと思うし、甲子園に行くためではなくて、甲子園で勝つための練習をしよう」
上原忠監督「キャプテンの知念は全部員・指導者から一番信頼のある人格を持った選手です」
蘇龍之介選手(応援団長)「みんなを鼓舞してくれる良いキャプテンだと思います」
姿勢でチームを牽引するキャプテン。その背景には沖水の黄金時代を知る父・直人さんの存在が。
直人さんは甲子園2度目の準優勝時の選手。現役時代は腰のヘルニアもあり、最後の夏はスタンドから仲間に声援を送った。
父・知念直人さん「開幕するまでは、自分もレギュラーを諦めていなくて練習もやったんですけど。声出してチームを盛り上げるように、ベンチに入れなかったメンバー全員同じ気持ちで当時はやっていました」
知念主将「試合に出られないのは悔しいって気持ちがあるので、そういうのを(父に)相談した時に、同じ気持ちだったんだなというのがありました」
父から学んだのは、黄金時代の沖水のように、全員が同じ気持ちで戦うことの大切さ。
知念主将「試合に出る準備もしながら、試合に出るメンバーのサポートもしっかりやっていけたら、チームを良い方向につながると思うので。しっかりメンバー入らなかった3年生も一緒に、みんなで長い夏にしていければいいと思います」
父・直人さん「今年100回記念から、新たなスタートということで、常勝軍団になればいいなと思います」
黄金時代のDNAを受け継ぐキャプテンを先頭に、復活の準備を整えた沖縄水産!もう古豪とは呼ばせない。この夏、新たな歴史を築く!
蘇龍之介選手「準決勝までみんな残って、伝統のセーラー服をつけて応援できるように頑張りたいです」
當山恭右選手「みんなで一緒の目標、甲子園という目標に向かって頑張っていきたいです」
『甲子園行くぞ!』